今年、最も期待を超えてきたドラマは? 全ドラマ視聴のコラムニストが2024年のトレンドを分析。子役ブームの火付け役は?
縦型ショートドラマの流行
トピック3はスマホの縦型画面で見る、1話3分間のアプリドラマ。1990年代からドラマを見ている世代にとっては共感し難いドラですけど、タイパ、コスパ命の10~20代にとっては今後主流になっていくのかもしれません。ときどき、若い子から「あらすじをぜんぶ教えてくれ」と言われることもありますしね。 ショートドラマもひとつの文化。でも約50分間で喜怒哀楽を見せながら、合計10話ほどで完結させていくのも文化。綯い交ぜにして楽しんでいくのはいかがでしょうか。
ドロドロ系の深夜ドラマが量産される体制はいつまで続くのか?
トピック4は深夜ドラマの泥沼化。前述のショートドラマアプリで配信されているドラマの多くは、いわゆるドロドロ系の人間関係が描かれたもの。昔の大映ドラマみたいなものです。同じく、深夜ドラマも不倫、離婚、嫉恨とかつての昼ドラを彷彿とさせるような、ドロドロ系の作品の放送が続いています。 今年だけでも『私よりも不幸でいてください』『3年C組は不倫してます。』(日本テレビ系)、『夫の家庭を壊すまで』(テレビ東京系)、『愛人転生 ―サレ妻は死んだ後に復讐する―』(MBS、TBS系)など、タイトルを読むだけで胃もたれしそうなドラマの羅列。 この背景には配信作品を増やすためにドラマを多く制作しなければならないという、テレビ局の意図があるのではないでしょうか。でも少し多すぎますね。深夜ドラマ、もうちょっとバラエティー豊富になってほしいものですが、2025年冬ドラマもドロドロは続きそうです。 【著者プロフィール:小林久乃】 出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にて作家デビュー。最新刊は趣味であるドラマオタクの知識をフルに活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディア構成、編集、プロモーション業などを生業とする、正々堂々の独身。
小林久乃