バラエティで大躍進中!“ウガンダと日本”の異色の若手コンビ『センチネル』が明かす「大きな野望」
ウガンダ人の父を持つボケ・トミサット(30)と、巨漢のツッコミ・大誠(30)からなるお笑いコンビ『センチネル』。’20年7月にコンビ結成後、バラエティを中心に頭角を現し、結成4年目で『深夜のハチミツ』(フジテレビ系)の出演が決定するなど活躍の幅を広げている。 【画像】笑顔が弾けて…「初インタビュー」に答える『センチネル』のコンビ仲が垣間見えた瞬間…! 注目を集める気鋭コンビのルーツとはなんなのか。芸人を志したきっかけや学生時代のエピソード、お笑い養成所を経てコンビ結成に至った経緯、直近の目標など、これまでの歩みから二人の魅力に迫る。 ◆「お笑いの人って格好良いな」バラエティを見て芸人を志した二人 ――お二人はいつ頃からお笑いに興味を持ったんですか? 大誠:中学生ぐらいですね。単純にお笑いが好きってよりも、普段はゴルフか麻雀番組しか見ない厳格なオヤジが、『さまぁ~ず』さんと『とんねるず』さんの番組だけはずっと見てて、「お笑いの人って格好良いな」って感じから入ったんですよ。 ただ、中学のときはちょっとだけグレてて(苦笑)。友だちに相談しても「やめとけ」って言われるし、「俺にはそういうの無理か」って思ってました。本格的にお笑いやろうとなったのは高校時代。友だちに「お前、面白いから一緒にやろう」と誘われて、文化祭とかで漫才やったりするようになりました。 トミサット:僕は『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)とかフジテレビのバラエティが大好きでずっとあこがれてました。本気でやろうと思ったのは、僕も高校生ぐらい。中学1年のときから全校生徒に「面白い」って認められてる同級生の友だちがいて、16歳ぐらいのときに「一緒にやろう」って誘われたんです。 けど、その同級生から「やっぱ大学卒業するまで待ってくれ」と言われて。僕、7年間ぐらい飲食店のバイトリーダーをやって待ってたんですよ。そしたら、今度は大学卒業のタイミングで「やっぱお笑いできない」と(苦笑)。そいつは大学時代に学生お笑いをやってて、「プロは厳しい」って感じちゃったみたいなんですよね。そんなときに、たまたま高校時代の別の友だちから「一緒にやらないか」って言われて、一緒に太田プロの養成所に入学しました。 ――大誠さんは高校卒業後、どんな活動をしていたんですか? 大誠:法政大学に進学したんですけど、当時の僕は自分のことを“最強”だと思ってたのでお笑いサークルには入らず(苦笑)。高校のときにコンビ組んだ友だちとネタを作ってインディーズライブに出てました。 結局、大学は1人も友だちを作らず中退。養成所に入ろうと思ったタイミングで当時の相方が「就職する」となったので、今度は高校時代に人気度で“エースで4番”だった同級生を引きずり込んだんです。大学4年で就活してたのを説得してやめさせて。そしたら、その友だちが「お笑いやるんだったらワタナベに入りたい」と言ってきたので、ワタナベエンターテインメントの養成所に入学したんですよね。 ――それぞれ、養成所での成績はどうでしたか? トミサット:養成所に一緒に入った相方は途中で辞めちゃって、別の同期(木津徳大さん)と組んだのが1つ前のコンビ、『シンテンチ』なんです。僕らは一応、首席でしたね。 大誠:僕らは首席ではないですけど、ずっと上のライブにいて事務所にも所属したんですよ。ただ、作家さんとウマが合わなかったり、コンビ仲も悪くなったりで所属して1年間ぐらいで解散しちゃって。事務所も退所して、当時はトミサットとは別の太田プロの芸人とコンビを組んだんですよね。 ――お二人はどこで出会ったんですか? トミサット:東京にある吉本興業以外のお笑い養成所時代に成績が良かった人たちを集めた「若気の至り」って若手ライブがあって。その一発目で一緒になったんです。 大誠:養成所を卒業した4月から一緒にライブに出てましたね。トミサットを見て面白いなと思ってたんですけど、僕が養成所時代のコンビを解散したときは『シンテンチ』は絶好調だった。その状態で声を掛けるってさすがにエグいじゃないですか。それで別の芸人とコンビを組んだんです。 トミサット:『シンテンチ』は最初いい感じだったんですけど、しばらくして熱量の差が出てきて。僕は芸人やるからには全部お笑いに注ぎ込むタイプ。当時の相方はプライベートもありきでいい塩梅でやりたい。そのズレがどんどん大きくなって、向こうから「もうしんどいわ」って言われて。’20年元日に『ぐるナイ おもしろ荘』(日本テレビ系)に出させてもらったんですが、その直後に解散しました。 その後、解散したことを黙って「若気の至り」に出ていたんです。そこで「コンビを入れ替えてシャッフルネタをやる」みたいな企画があって、たまたま大誠と一緒になったんです。「いい感じだな」と思ったんですけど、もう大誠はコンビを組んでたから誘いづらくて。ちょうどコロナ禍が始まって、バイトもクビになってライブとかも中止になった時期、真っ暗な部屋でずっとヤバいYouTube見てました(苦笑)。そのときのピンの芸名が「パイナポー富里」。 大誠:完全に何かをする人間の名前じゃない(苦笑)。 トミサット:戒名ですよ、戒名。その後にいろんな人のおかげで「やっぱお笑いやりたい」って前向きになれました。割とすぐに大誠のコンビが解散したこともあって、’20年7月からセンチネルが始まったんですよね。 ――昨年6月、『ゴッドタン』(テレビ東京系)の「今のバラエティで売れそうな芸人部門」で1位に選ばれていましたが、番組の反響は大きかったですか? 大誠:センチネルで初めて出たテレビが『ゴッドタン』だったんですよ。オンエアされた後、一時的には追い風を感じましたけど、その年の『M-1』は2回戦で落ちちゃって。やっぱ甘くないなと思いましたね。 その後は応援ムードを感じることもなくなったし、結局は自力で頑張るしかないなと。この1年でちょっとずつ前に進んでる自覚はありますけど、もっとペースを速めないとなとは思ってます。 トミサット:勝てるときに勝ち切らないとダメな世界だと思うんですよね。今は『深夜のハチミツ』に出させてもらってるので、この勢いで一気に行かなきゃなって思います。ネタもテレビも本気でやらなきゃいけないと思って、ライブを月に50本以上やってるんです。お笑いに集中するためにバイトも辞めたから、今が一番金ない時期ですね。 大誠:僕もバイト辞めました。両立するとなったら時間もないですし。 ――理想は賞レースで結果を出して、テレビでも売れたいと。 トミサット:たぶん『M-1』決勝は後々になると思うんですけど、来年の今頃までに何かしらのタイトルはほしいですね。 大誠:事務所ライブの『月笑』もそうなんですけど、僕らって常に2位とかなんですよ。1位を獲ったことはありますけど、圧倒的に少ない(苦笑)。 トミサット:勝ち切る力がないんです。もうちょっとで何か見えそうな気がするんですけどね。 大誠:12月にある『月笑』の年間チャンピオンを決める「クライマックスシリーズ」に懸けてるトコありますね。『さすらいラビー』さんと『青色1号』さんと僕らの3組だから、1/3で確率としては勝ちやすいじゃないですか。もちろん2組は強いけど、今のセンチネルはとにかく勝ち癖をつけないと。 トミサット:初めて相方がポジティブなこと言いました。ジャイアントキリングです。とにかく今はトップを目指して頑張ります! インタビュー後半の【「収録は戦場」「お蔵入り連発」…気鋭の若手コンビ『センチネル』が明かす「人気番組で感じた恐怖」】では、出演を重ねるフジテレビのお笑い番組『深夜のハチミツ』収録の舞台裏について本音を語っている。 取材・文:鈴木旭 フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。2021年4月に『志村けん論』(朝日新聞出版)を出版。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中。http://s-akira.jp/
FRIDAYデジタル