クリスティアーノ・ロナウドら名選手がプレーした「貴婦人」の本拠地・ユヴェントス・スタジアム~欧州スタジアムガイド~
「イタリアの恋人」とも称されるユヴェントスは、旧スタジアムを取り壊して新スタジアムの建設を計画していた。しかし2006年に八百長事件のため、クラブ史上初めてセリエBに落ちる憂き目にあった。その影響もあり、新スタジアムの建設にも遅れが生じてしまったが、ユヴェントスは1シーズンでセリエAに復帰した。 2011年、「このスタジアムはサッカーを変える」をモットーに、新スタジアム「ユヴェントス・スタジアム」をオープンさせた。鉄塔による吊り屋根は、以前のスタジアムを模したという。 ポストモダン様式で、環境にも配慮した国内初のバリアフリースタジアムとなり、スタジアムのある緑の丘の輪郭に沿った広いスロープのある4つのコーナーエントランスを通り、スタジアムを囲むリングへと続いていく。客席とピッチの間隔もグッと縮まり、収容人数は41,000人で、今ではほとんどの試合が満員となっている。 スタジアム周辺には「ユヴェントスミュージアム」というクラブの歴史がわかる優勝トロフィーが展示されたミュージアム、イタリア最大規模を誇るオフィシャルショップ、ショッピングモールなども併設される複合施設となった。この複合施設はトヨタカローラやBMW、アルファロメオなどの多くの自動車やオートバイ、カメラをデザインしたイタリアの著名な工業デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロによってデザインされた。 1985年のチャンピオンズカップ決勝のユヴェントス対リヴァプール時に起きた「ヘイゼルの悲劇」に捧げる部屋もある。またスタジアムの2階の通路の地面には「スターの道」というユヴェントスの歴史の中で最も代表的な選手たちが称えられている、いわゆる「ウォーク・オブ・フェイム」が建設された。このエリアは、床が50のセクターに分けられ、それぞれに金色の星が飾られている。星は1.85mの白黒五角形の中にあり、それぞれにクラブの歴史を作った選手の名前が刻まれている。また、銀色のプレートには、獲得したタイトルなど、チームで活躍した期間に関連する情報が刻印されている。 また、この道には1985年にブリュッセルで起きた「ヘイゼルの悲劇」の犠牲者の名前が刻まれた39個の銀の星も含まれている。これらは、その年のキャプテンであったガエターノ・シレアに捧げられた金の星の隣に設置されている。