「たくさんの観客の応援がすごくうれしかった」大坂なおみが全米OPと今シーズンの歩みを振り返る<SMASH>
試合経験を何より欲する大坂は、アジアを主戦場に移す今後のツアーも、精力的に回っていく心づもりだ。10月14日に大阪市で開幕する「木下グループ・ジャパンオープン」、そして翌週に東京都開催の「東レ・パンパシフィック・オープン」に連続出場するのも、一日でも早く、かつての感覚を取り戻したいとの渇望の表れだ。 大坂が日本で試合をするのは、今年4月に有明で開催された「ビリー・ジーン・キング・カップ」(女子国別対抗戦/以下BJK)以来。 「BJKはすごく楽しかったので、また日本に戻り、東京と大阪で試合ができるのがすごくうれしい」 穏やかに、大坂が笑った。 さて……、実は話しは、ここで終わらない。迷いながら「えっと……」と言葉を続けた彼女は、「いいや、気にしないで!」、「でもね……、やっぱり止めておこうかな」と言いよどみ、考えをめぐらし、言葉を選びに選びながら、ついに意を決したように言った。 「他の国に比べて日本の観客は、すごく礼儀正しい。でも、もっと賑やかでも良いなと思うの。BJKの時は、みんな賑やかで、すごく楽しかった。だから……東レパンパシフィックと大阪でも、そんな感じで盛り上がってほしいなって思うの」 大歓声を浴びながら、日本のファンの前で戦う――そんな日を、大坂は心待ちにしている。 現地取材・文●内田暁