給料が高い大企業への転職を検討していますが、「現職のポジション」を手放すのが怖いです。現職で昇進し、給与を上げるべきでしょうか?
仕事をする理由は人それぞれですが、給与は多くの人にとって無視できない要素です。給与に満足いかない場合は、転職を検討することも「あり」でしょう。 とりわけ、給与が高いとされている大企業への転職を目指す人がいてもおかしくはありません。しかし、転職により現職のポジションを失うリスクも伴います。 今回は、企業の規模と年収の関係を確認したうえで、転職を判断するのに欠かせない要素などを考えてみましょう。
企業の規模と年収の関係
そもそも、大企業は本当に給与が高いのかということを押さえておく必要があります。国税庁の「令和4年分 民間給与実態統計調査」の結果には、企業の規模ごとの平均年収がまとめられています。 それによると、従業員が10人未満の企業の平均年収は約371万円、10~29人の企業の平均年収は約425万円でした。100~499人の企業では約446万円、500~999人の企業では約480万円、1000~4999人の企業では約521万円となっています。従業員を5000人以上抱える企業の平均年収は、約538万円でした。 ここからも、企業の規模が大きくなると給与が高くなる傾向があることが分かります。ちなみに、同調査結果からは、株式会社における資本金額が多くなるほど平均年収が高くなる傾向もみられます。給与を上げるために大企業への転職を検討するのは、決して的外れとはいえないでしょう。
転職の成否は年齢や将来性などによる
転職活動をしても、すべての人が成功するとは限りません。目指す転職先が大企業となれば、なおさらです。ここでは、転職の成否にかかわる要素をそれぞれみてみましょう。 ◆年齢 転職への意識が高まってきているとはいえ、日本はアメリカなどと比べると、まだまだ転職に抵抗感を抱く人が、個人・企業ともに少なくありません。 特に、年齢が高くなるほど市場価値が落ちる傾向があり、転職の成功が望めなくなるおそれがあります。20~30代は、それ以降の年代よりも転職成功の可能性が高いのが一般的です。40代以降であれば、現職での昇進などを目指すのに注力した方がよいケースも多くなるでしょう。 ◆実績や能力 大企業への転職を成功させるには、現職でそれなりの実績を残していなければいけません。現職から逃げるような形ではなく、さらなるキャリアアップを目指しての転職である必要があります。 また、その実績は企業に依存したものではなく、自分個人の能力や技術によるものである点も重要でしょう。個人としての能力が高い場合、大企業への転職により給与が上げられる可能性も高まります。 ◆将来性 現職ですでになんらかのポジションが与えられているのであれば、年齢や役職にもよりますが、それなりに期待されているともいえます。 先輩や上司の待遇などを確認し、現職のままでさらなる昇進や昇給が見込めるかを確認してみましょう。現職でも将来性が見込めれば、そのまま働き続けることで給与の増加も狙えます。将来的には、転職よりもよい結果を得られる可能性もあるでしょう。