Broadway! in Autumn ミア・ファロー&パティ・ルポーンが初共演
9月に入り、アメリカ・ニューヨークのオンブロードウェイでは新シーズンが本格的に始動した。シーズン開幕を祝うかのごとく、今月はビッグネームが劇場街に勢ぞろい。ルームシェアを始める中年女性の希望を描いた「ザ・ルームメイト」でミア・ファローとパティ・ルポーンが初共演するほか、ロバート・ダウニー・Jr.がタイトルロールを担ってオンブロードウェイデビューする「マクニール」、人種問題にコミカルに斬り込んだダニエル・デイ・キム出演の「イエロー・フェイス」などがお目見えする。9月以降に上演される4作品を紹介しよう。 【画像】「ザ・ルームメイト」より。(Photo by Matthew Murphy)(他4件) ■ 「ザ・ルームメイト」 The Roommate 2024年9月12日(木)~ ブース劇場 脚本:ジェン・シルバーマン 演出:ジャック・オブライエン 出演:ミア・ファロー、パティ・ルポーン 今回オンブロードウェイデビューを果たす脚本家ジェン・シルバーマンによる、2015年初演の二人芝居。長年の友人である、79歳のミア・ファローと75歳のパティ・ルポーンが初共演し、生まれも性格も異なる2人の女性を演じる。離婚してルームメイトを探している五十代のシャロン(ファロー)の前に、謎めいた過去を持つロビン(ルポーン)が現れた。一緒に暮らすうち親密になった2人は……。演出は、「ヘアスプレー」ほかで3度のトニー賞に輝いたジャック・オブライエン。 ■ 「ザ・ヒルズ・オブ・カリフォルニア」 The Hills of California 2024年9月29日(日)~ ブロードハースト劇場 脚本:ジェズ・バターワース 演出:サム・メンデス 出演:ローラ・ドネリー、リアン・ベスト、オフィリア・ラヴィボンド、ヘレナ・ウィルソン、デイビット・ウィルソン・バーンズ、タレア・キャンベル、ブライアン・ディック、リチャード・ラムスデン、リチャード・ショート、ナンシー・オルソップ、ソフィア・アリー、ララ・マクドネル、ニコラ・ターナー、リアム・ビクスビー、エリン・ヒールド、マックス・ロール、キャメロン・スコギンズ ローレンス・オリヴィエ賞とトニー賞に輝いた「ザ・フェリーマン」に続く、劇作家ジェズ・バターワースと演出家サム・メンデスのタッグ作。イギリス・ロンドンでの初演を経て、オンブロードウェイで上演される。物語の舞台は1976年夏、海辺の寂れたリゾート地。子供時代に歌手グループを組んでいた四人姉妹は、死期が近い母親のため、幼少期を過ごした家族経営のゲストハウスに集まるが……。姉妹役をローラ・ドネリー、リアン・ベスト、オフィリア・ラヴィボンド、ヘレナ・ウィルソンが演じる。 ■ 「マクニール」 McNeal 2024年9月30日(月)~ ヴィヴィアン・ボーモント劇場 脚本:アヤド・アクタル 演出:バートレット・シャー 出演:ロバート・ダウニー・Jr.、ブリタニー・ベリゼアラ、ラフィ・ガブロン、メロラ・ハーディン、アンドレア・マーティン、ルーシー・アン・マイルズ、サイシャ・タルワール ヴィヴィアン・ボーモント劇場を有するリンカーン・センターの創立40周年記念シーズンの一環として、ピュリツァー賞作家アヤド・アクタルの新作が上演される。作中では、ノーベル文学賞候補に何度も挙がっている作家ジェイコブ・マクニールを軸に、物語が持つ矛盾した2つの性格を問いかける。なお、映像で活躍するロバート・ダウニー・Jrが、マクニール役でオンブロードウェイデビューを飾る。演出はバートレット・シャー。 ■ 「イエロー・フェイス」 Yellow Face 2024年10月1日(火)~ トッド・ハイムズ劇場 脚本:デイヴィッド・ヘンリー・ウォン 演出:リー・シルバーマン 出演:ダニエル・デイ・キム、ケヴィン・デル・アギーラ、ライアン・エッゴールド、フランシス・ジュエ、マリンダ・アンダーソン、グレッグ・ケラー、シャノン・チョウ 劇作家デイヴィッド・ヘンリー・ウォンが人種の複雑さをショービジネスに絡めて描いた2007年初演作。劇作家のDHHは、1990年代に人種的特徴を考慮しない“カラーブラインド・キャスティング”で上演された「ミス・サイゴン」への抗議として、1本の戯曲を書く。しかし、知らず知らずのうちに自らも白人俳優をアジア系主人公に起用してしまい……。同作が、同年のオフブロードウェイ公演も手がけたリー・シルバーマンによる演出で、オンブロードウェイで初めて上演される。DHH役はダニエル・デイ・キム。