プロバレーボール選手・髙橋藍「パリに向けて準備をしてきて、やれることはやってきた」
イタリアから日本への復帰を決めた、プロバレーボール選手の髙橋藍さん。海外で暮らして感じた、京都の魅力…。その街で生まれ育ったことを“誇り”に、新しい環境で、また新たな挑戦を始める! 5月、3シーズンプレーした世界最高峰のイタリア・セリエAから、サントリーサンバーズ大阪への移籍を電撃発表。また、直近のネーションズリーグでは日本代表の中心選手として攻守で活躍し、メダル獲得が期待されるパリ五輪でも大きな注目を集める髙橋藍選手。一方で、天性の明るさとその華やかな存在感はコートの外でも多くの人を惹きつける。今回の撮影でも、日本の夏の伝統衣装・浴衣をさらりと着こなし、時にクールに、時に爽やかに、カメラの前でポーズをキメる姿はさながらプロのモデルのようだ。そんな髙橋選手が、故郷の京都について、2度目となる五輪への想い、そして、これから果たしたいことを語ってくれた。 ――今号のananは京都特集です。イタリアから帰国後、すぐに代表活動などもあり休む暇もなかったのでは? 京都へは帰省できましたか? 毎年、帰国後ゆっくりするのはなかなか難しいんですけど、今年は3日間嵐山の実家で過ごせたので、久しぶりにのんびりできましたね。 ――そうなんですね。地元に帰ってくると和みますよね。 やっぱり京都は、街並みも色合いも落ち着いていて、穏やかな気分になりますね。イタリアで2年半暮らしてみて、京都の魅力にようやく気がついた感じはあります。もちろん、イタリアも古い石造りの建物がたくさんある美しい国なんですけど。 ――イタリアでは、チームメイトや友人に京都について聞かれることも多かったのでは? そうですね。日本の都市では、東京と同じくらい知名度が高いから、京都出身だって言うと、どんな街なんだ? ってよく聞かれました。 ――その時は、京都のことをどんなふうに紹介していたんですか? 昔は日本の都だった歴史ある街で、お寺や神社など世界遺産もたくさんあるんだよって。まぁ、僕自身、行ったことがないところもまだまだいっぱいあるんですけどね (笑) 。 ――むしろ、観光客の方が京都の名所に詳しいし、訪れていますよね。 僕も海外に出てみてその凄さがわかりました。みんなが京都を訪れたくなる理由がわかったというか。そういう街に生まれ育ったことは、やっぱり誇らしく思います。僕もゆっくり休みが取れたら、あらためて観光スポットを巡ってみたい (笑) 。 ――昨シーズンはプレーオフで決勝に進出し準優勝。かなり充実したシーズンだったと思いますが、振り返ってみていかがですか? イタリア・セリエAでプレーしてきて3シーズン目の昨季は、まずはプレーオフを目指してやっていました。チームメイトもレベルが高い選手が多く、自分自身もレベルアップして、チーム自体が強くなっていったおかげでその目標が達成できたのは、すごく嬉しかったです。さらに、目標を遥かに超えてプレーオフのファイナルまで経験できたことは、僕にとって大きな自信になりましたね。 ――そのセリエAを離れて、今シーズンは日本のサントリーサンバーズ大阪でプレーするという発表がありました。いろいろ選択肢がある中で、今回の決断に至った理由は? これまでも常に何かに挑戦してきましたが、さらに自分を成長させるためにも、新たな挑戦が必要だと思っていて。環境を変えて、その中で強くなりたいと思ったのが一番で、それを叶えられるのがサントリーだと思ったんです。そして、バレーボールを夢のあるスポーツにして、日本でもっとメジャーに、いろいろな人に楽しんでもらいたいという想いもあります。Vリーグも今季から新しくなるので、もっと盛り上げたいですし。海外の選手も日本のリーグに挑戦したいという人が多くて、そういった意味でも、日本のリーグを世界のトップに押し上げることに関わっていけたらと思っています。あとは、兄と一緒にプレーができるのも高校生以来なので楽しみです (笑) 。 ――日本国内で髙橋選手のプレーが生で見られることを喜んでいるファンは多いと思います。そして、いよいよパリ五輪も目前に迫っていますが、今はどんな心境ですか? 東京五輪が終わってから、3年間かけてパリに向けて準備をしてきて、やれることはやってきたと思っています。ネーションズリーグは五輪につながるいい機会でしたが、あとはこれまで取り組んできたことを全て出し切るだけ。パリ五輪の舞台で、日本代表としてまた試合ができることにワクワクしていますし、メダルの手応えも感じています。僕自身、非常に楽しみにしています。 パリ五輪男子バレーボール日程 7月27日 (土) ~8月3日 (土) 予選 8月5日 (月) 準々決勝 8月7日 (水) 準決勝 8月9日 (金) 3位決定戦 8月10日 (土) 決勝戦 たかはし・らん 2001年9月2日生まれ、京都府出身。プロバレーボール選手。イタリア3季目の2023‐24シーズン、モンツァをチーム初となるプレーオフ準優勝に導く。今季は10月に新たに開幕するSVリーグの「サントリーサンバーズ大阪」でプレーする。 浴衣¥49,500 帯¥55,000 下駄 参考商品 巾着¥8,250 (以上Y. & SONS TEL:03-5294-7521) 団扇¥4,400 (京うちわ 阿以波/阿以波 TEL:075-221-1460) PROVINCIALトリッスルベンチ¥236,500 (HIDA高山店 森と暮らしの編集室 TEL:0120-606-655) ※『anan』2024年7月17日号より。写真・森山将人 (TRIVAL) スタイリスト・井田正明 大谷優依 (プロップ) ヘア&メイク・TOYO (BELLO) 着付け・望月さおり 取材、文・野尻和代 撮影協力・バックグラウンズ ファクトリー (by anan編集部) あわせて読みたいanannewsEntame バレーボール男子日本代表・髙橋藍「自分たちのバレーをやれば、どの相手にも…2023.10.7ananwebEntame バレーボール男子日本代表・髙橋藍「プレッシャーがモチベーションになる」2023.9.30anannewsEntame 髙橋藍「常に自信を持つことを意識した」 石川祐希と語る“海外で戦うことの…2023.9.10anannewsEntame バレーボール男子日本代表の若きエース・髙橋藍が語る“イタリアでもまれた収…2023.9.9anannewsEntame 男子バレーボール界の新星・髙橋藍「僕は今までにいなかったような選手になり…2022.11.1