“目のマッサージ”で網膜剥離や白内障の危険性も!本当に効果的なケア方法を専門家が指南
――花粉症で、つい目を擦ってしまうことがあるのですが……。 目がかゆい時は目薬を指すようにしましょう。間違っても、目を洗ったりしてはダメです。昔、プールに入った後、目を洗う水道がありましたよね? あれ、今はほぼ全て撤去されているんですよ。 ――そうなんですか!? 目を洗うとすっきりとした感じがして好きだったのですが。 目の表面には、目に潤いを与えて細胞を守ったり、水分の蒸発を防ぐ油の層や、角膜の保護作用の働きをもつムチンという蛋白質成分があります。ところが、目を洗うと、こういう大切な成分が流れてしまう。目を守るものを除去して、ドライアイのリスクを高める行為なんです。 目の中にゴミが入ったというような臨時の場合以外は決して目を洗ってはいけません。その危険性がわかったから、目を洗う水道もプールから撤去されたということです。
本当に効果的? オススメの目のサプリは?
――それは知りませんでした……。ところで目のサプリって本当に効くのでしょうか? 例えば、よく知られているルテインやアスタキサンチンは、ブルーライト対策としては、悪くはない成分です。先進国での失明第一原因の加齢黄斑変性などの予防効果はあり得ます。 ただし、宣伝で見るような、老眼を改善する、近視が良くなるとなどといった効果は全くありませんので、ごまかされないでください。 サプリで僕がおすすめをするとしたら、末梢血管の血行を促進する作用をもつ水溶性ビタミンのナイアシンです。例えば緑内障は、7割程度の人が視神経の血流が落ちるために起きる病気です。こういう疾患予防にナイアシンは効果的だと考えられます。 ただ、注意も必要です。ナイアシンは血流を良くするだけでなく、体内の炎症物質であるヒスタミンを排出する働きも持ちます。 このとき、蕁麻疹がおきたり、頭がぼーっとするフラッシュという反応が出る場合があります。効いてきた証拠ですがびっくりしますので、その反応が出にくいように加工された、フラッシュフリーのナイアシンというサプリを取り入れるといいでしょう。米国のアイハーブなどで簡単に注文して手に入れられます。 その反応が出にくいように加工されたのが、ナイアシンフラッシュフリーというサプリです。通常のナイアシンよりも価格は高めですが、目のことを考えたら、しっかり摂取した方がいいでしょう。 ――自分でできるケアっていろいろあるんですね! ケアをしたからといって、病気が必ず防げるわけではないので、定期検診も必ず受けるようにしてほしいですね。特に最近はスマホを長時間見る若者も増えていて、20年後ぐらいに、若くても光が原因で起こる加齢黄斑変性などの網膜症が多発して、視力低下が起きるのではないかと危惧しています。 スマホは短時間使用だけにして、見る時も距離を離してみてください。また、お子さんがいらっしゃる方も多いと思いますが、子供時代からスマホ浸けにすることは避けてほしいですね。 ◇ 目の疲労は放置すれば、重大な疾患につながるリスクが高い。不調が起きる前に、日々ケアすることが大切だ。 林田順子=取材・文
OCEANS編集部