「予想してもなかった」報道きっかけに…「全国で唯一の『辰』の字がある自治体」取材相次ぐ
2024年の干支「辰」の字を日本で唯一使う長野県辰野町。2023年12月27日に信濃毎日新聞デジタルがその事実を初めて報道すると、町にはさまざまなマスメディアから取材依頼が相次いだ。町は「辰のまち」をPRするロゴマークを新たに作るなど、12年に1度の好機を生かすべく「辰」推しを加速中。そんな町を訪れ、「辰のまち」が迎えた新年の様子とその後を取材した。(中島瑞穂) 【写真】ロゴマークを元に作った缶バッジ
記者が総務省の市町村コード表を基に調べ、辰の字を使う自治体が全国で辰野町だけだと分かったのは2023年11月下旬。電話でその事実を役場に伝えると、対応した役場職員は「辰野町だけなんですか!」と驚いた。最初に話を聞いたまちづくり政策課の三浦秀治課長によると、町の名前にちなんで辰年に関連するイベントを検討してはいたが、「辰の字がある自治体が辰野町だけとは調べもしなかったし、予想してもなかった」という。
「辰の字があるのは辰野町だけ」という情報を得た町は、新年に向けて「辰」推しを急加速。新年までに「辰のまち」をPRするロゴマークの制作を決め、町と町社会福祉協議会の職員計3人が急きょ6種類を考案。「辰野町だけ」という情報を得てから約1ヶ月後、1月4日の仕事始めでロゴマークをお披露目する仕事の速さだった。
ロゴマークは地図上の町の形を竜の面に見立てるといったデザインや町章を模したデザインなど。お披露目後、町職員の発案を受け、ロゴマークをプリントした缶バッジ150個を約1週間で製作。1月13日と14日に町内であった催しで、その一部を来場者に配布した。缶バッジは好評で、「区(自治会)の住民にも配りたい」と話す区長も。こうした声を受け、町は缶バッジを購入できる「ガチャガチャ」の設置を決定。販売に向け、缶バッジを増産している。
ロゴマークは「いろいろな人に使ってほしい」と使用許可や使用料は不要にした。ロゴマークのデータは、12月26日に町ホームページに設置した辰年関連の特集ページでダウンロードできる。このページでは、辰にまつわる町の活動やイベント情報も発信している。