オフィスで簡単にできる 室伏広治氏に肩こり、腰痛、猫背改善のエクササイズを教わった
「トップアスリートの成績をあげる『ハイパフォーマンス』だけでなく、国民の健康を増進させる『ライフパフォーマンス』の向上もスポーツ庁の重要な仕事」と語る室伏さん。身体機能を高めておけば、災害など非常時に体をしっかり動かすことができる可能性も高まり、利点は多い。
「運動は『エネルギーの消費』と思ってしまいがちだが、逆にとらえ、精神的な『蓄え』につながると思ってほしい。オフィスで椅子に座りながらでもできるものがあるので、リフレッシュの意味も込めて取り組んでほしい」とも語る。(村田幸子、水内茂幸)
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今回の取材では、オフィスで働く人が抱えがちな腰痛や肩こりの人を想定し、中年勢の代表としてデジタル報道部の水内茂幸次長(50)と入社2年目の若手、村田幸子記者(24)が、室伏さんに症状を改善させるためのエクササイズを教えてもらった。どちらもオフィスの自席にいたまま、数分で行うことができる。
まずは肩こりへの対処。イスに座ったままできる。紙風船があれば用意するか、両手で持っていると想定しよう。
エクササイズは、①両手の紙風船をつぶさないようにイメージしながら、頭上までゆっくり持ち上げる。
次に、②ゆっくり顔の前まで降ろす。
これを何回か繰り返す。その後、③紙風船を持ったまま両手を頭上に掲げ、左右交互に体を倒す。
この運動では、デスクワークで固まった首から肩にかけての筋肉をリラックスさせる効果がある。紙風船の状態を意識することで、身体を動かす原動力となる認知機能を鍛えることにもつながるという。
次に、腰痛への対処だ。オフィスワーカーの腰痛は、座った姿勢を取り続けることで脚の付け根の前面部の筋肉(太腿直筋など)が縮み、骨盤が引っ張られ前傾させられることで、腰痛に結びつくことが多いという。
エクササイズは①自席でイスを横にずらし、紙風船をつぶさないように胸の前に掲げ、片膝立ちの姿勢を取る。
②手をグッと前に出す③足の付け根が伸びることを意識しながら片膝を前に押し出し、戻す。