「前言撤回」「有言不実行」と言われてもいっさい気にしない…図太すぎる石破茂総理を支える「宗教的バックボーン」
あのトランプと「同じ宗派」
たとえば厳しい批判もある「アジア版NATO構想」である。NATO(北大西洋条約機構)加盟国の過半はヨーロッパ大陸に位置する欧州諸国であり、東・南シナ海からマラッカ海峡を経てインド、太平洋に至る海洋国家が過半のアジア諸国とでは地政学から歴史・宗教までが大きく異なる。要するに、リアリティがない。 ところが石破首相は、怯むどころか燃えるのだ。まるで自分には神のご加護があるからだとでも言わんばかりである。衆院選公示前の10月12日の各党党首討論会(日本記者クラブ主催)でも「アジア版NATO」だけでなく、持論の「日米地位協定見直し」推進にも言及した。 27日投開票の衆院選で自公合わせて過半数233議席をクリアすれば、石破首相はほぼ間違いなく12月初旬にニューヨークを訪れる。11月5日の米大統領選で「55:45」の確率で勝利する「ドナルド・トランプ次期大統領」と会談する。 石破氏が「貴方と私は同じプロテスタント長老派です。神はこの会談を必ずや祝福されることでしょう」と語りかけるや、トランプ氏は力強いハグで返すはずだ。 「これこそ神のご加護だ!」と叫んで……。
歳川 隆雄(ジャーナリスト・「インサイドライン」編集長)