「ショッキングで配慮すべき」 炎に動く人影の映像、猪口氏宅火災 BPOに批判250件
放送倫理・番組向上機構(BPO)は、東京都文京区にある自民党の猪口邦子参院議員の自宅マンション火災を巡り、炎が迫る現場で動く人影のようなものが映った動画を放送した読売テレビの「情報ライブ ミヤネ屋」の番組などについて「ショッキングで配慮すべきだ」などと批判的な意見が11月に約250件寄せられたことを明らかにした。今月13日に都内で開かれた放送倫理検証委員会で報告された。 【写真】炎上する自民党の猪口邦子参院議員の自宅マンション=11月27日午後10時5分 動画は燃え盛る室内を背景に、女性とみられる人影がペットボトルのようなものを掲げているように見える内容。火災が起きた翌日の11月28日、日テレ系列の「NNNストレイトニュース」と同社系で読売テレビが制作した「情報ライブ ミヤネ屋」などで視聴者提供として放送された。 BPOには番組について、「逃げ遅れた人と思われる姿が映っていてショックだった。ご家族の心情を思うと言葉もない。映像を使う必要性があったのか」と疑問視する声や、「当事者への配慮がない。映像を見た視聴者の心も傷ついたと思う。映像を使用するという判断は軽率だったのではないか」とする意見があった。 日本テレビは当時、放送した経緯について「全国的にも関心の高いニュースの重要な情報を含んだ映像」と説明し、「内容に鑑みて抑制的に映像を使用する」と産経新聞の取材に回答していた。 火災を巡っては2人が死亡し、猪口氏の夫で東大名誉教授の孝さん=当時(80)と長女=当時(33)だったと警視庁は発表している。死因はいずれも焼死だった。 ■兵庫県知事選は斎藤知事への「個人攻撃」 また、斎藤元彦知事が再選した11月の兵庫県知事選については約540件の意見が寄せられた。 「斎藤氏ひとりを集中的に批判し、公平性を欠いている。個人攻撃、ネガティブキャンペーンのようだ」との意見や、「マスコミ各社の報道とSNS上の情報の隔たりが大きすぎる」と報道に批判的な意見が相次いだ。 斎藤氏が抱えるパワハラ疑惑について「結論は出ていない。引き続き取材と報道を続けてほしい」との声もあった。