ホンダの新型「WR-V」が万人受けするのは開発スタッフの男女比1:1だから!新しい世代の感性が生んだニューモデルの実力はいかに?
ハイブリッドの設定はないが街乗り燃費は満足できる
コストパフォーマンスといえば、無視できないのがランニングコストにおける経済性だろう。 前述したようにWR-Vのパワートレインは、1.5Lガソリンエンジンだけとなっており、ハイブリッドの設定はない。試乗グレードのWLTCモード燃費は16.2km/L、市街地モード12.3km/L、郊外モード17.2km/L、高速道路モード18.0km/Lとなっている。 はたして、都内の一般道と首都高において日常レベルの渋滞にハマりつつ走ったときの燃費は、高速道路モードを超える18.4~18.5km/Lというものだった。これは撮影を終えてから純粋な移動区間で計測した数値で、エンジンが暖まっている状態だったので燃費に有利という面はあるが、標準装備されるパドルシフトをカチャカチャと楽しむなどしていたので、エコドライブをしたというわけではない。それで、このくらいの燃費が実現できるのであれば経済性の面でも文句ない。 流れに乗って走っている範囲であれば、エンジン回転数は発進時でも3000rpm以下であるし、巡行しているときは2000rpm前後といったもの。そのためパワートレイン由来のノイズや振動も少ない。このあたり、200万円台のモデルではいまや貴重な4気筒エンジンを積んでいることもメリットになっていると感じた。 タフなスタイリングのSUVとしては4WDの設定がないのは残念な部分ともいえるが、都市型SUVとして考えれば、スタイリングの押し出しもあり、後席快適性も高く、燃費も十分という、非常にバランスのよいモデルに仕上がっているといえそうだ。 試乗したZグレードの車両価格は234万9600円、9インチナビなどディーラーオプションを装着した状態でも268万8400円という価格からすると満足度は高く、本当の意味でコストパフォーマンスのよいニューモデルと実感できた。
画像ギャラリー&スペック
WR-V 「Z」 全長×全幅×全高:4325mm×1790mm×1650mm ホイールベース:2650mm 車両重量:1230kg 排気量:1496cc エンジン:直列4気筒DOHC 最高出力:118PS(87kW)/6600rpm 最大トルク:142Nm/4300rpm 駆動方式:FF トランスミッション:CVT(トルクコンバーター付) WLTCモード燃費:16.2km/L 最小回転半径:5.2m タイヤサイズ:215/55R17 乗車定員:5名 メーカー希望小売価格:234万9600円
山本 晋也