ホンダの新型「WR-V」が万人受けするのは開発スタッフの男女比1:1だから!新しい世代の感性が生んだニューモデルの実力はいかに?
コーナリング性能に不満なし、後席快適性も高い
公道初試乗のスタート地点となったのは、東京・青山にあるホンダの地下駐車場。まさしく都市型SUVらしいシチュエーションで、都内の一般道や首都高をグルグルと走りながら、その乗り味を確認することにした。 意外だったのは、首都高での振る舞いだ。 最低地上高195mmを確保したSUVらしいスタイリングだけに、さほどコーナリング性能へ期待はしていなかったが、試乗したZグレードは55偏平17インチのツーリング系タイヤを履いていることもあって、首都高ではロールを抑え、ビタッと路面を捉えた走りが味わえる。 ハードウェアの素性としてはアジア向けコンパクトモデルのプラットフォームを利用したSUVといえるのだが、ホイールベースが長めというプロポーションも相まってか、まるでCセグSUVのようなしっかりとしたハンドリングが楽しめるのだ。 その上で、着座位置の関係から視界は広く、ボンネット形状の工夫により車両感覚もつかみやすいため、市街地の狭い道での取り回しも良好。アーバンSUVとしての満足度は高い。 これまた期待以上だったのは、後席の乗り心地だ。 最上級グレードでも250万円以下のSUVモデルとなれば、後席の快適性は多少なりとも犠牲になっていると想像してしまうが、WR-Vのリヤシートはクッション性もよく、フロアの剛性感も高い。路面からの突き上げがあっても、ダンパーが的確にストロークを制御してくれる。ノイズの侵入も最小限で、ひとクラス上のCセグのような乗り心地が味わえた。 これほどの良作が生まれたのはタイにあるHonda R&D Asia Pacific(HRAP)で開発されたことも大きいだろう。聞けば、HRAPの開発スタッフは若い人が多く、男女比もほぼ1:1なのだという。しかも元気な女性が開発現場をリードしているという。 そうした新しい世代の感性が、見切りのよさと押し出しを両立したスタイリングや、期待値を大きく超えるハンドリングや快適性を実現しているとなれば、これから生まれるホンダ車への期待も高まってくるというものだ。