[山口県]クマ捕獲用のおりを設置 岩国市、食害など痕跡多い畑に
山口県岩国市寺山地区の山中で、イノシシ猟をしていた市内の50代男性がクマに襲われ負傷した被害を受け、岩国市は5日、県の許可を受けて同市入野の栗畑にクマ捕獲用の金属製おりを設置した。 市農林振興課によると、設置場所は食害や栗の木の枝がしばしば折られた同市の男性が所有する栗畑。市猟友会の会員がドラム缶状の金属製おり2個を小型重機で運搬し、国道から見通せる栗畑の一角で組み立てて、木材で固定した。 おりの大きさは全長約150センチ、直径約60センチ。内部には蜂蜜と焼酎を混ぜたクマが好む餌を置き、餌を食べると入り口の鉄柵が落ちてクマを閉じ込める仕組みだ。 市によると、おりは2週間ほど設置する。栗畑を所有する男性(72)は「今季の収穫は終了しているがクマが学習して来季も食べに来たら大変」と話し、毎日様子を確認するという。 市猟友会の上地義和会長(77)は「一帯ではクマ棚が多く確認され、相当多くの個体がいるはずだ。捕獲して数を減らさない限り被害も減らない」と注意を呼びかけていた。 ■周南・鹿野にクマ出没警報 県は5日、周南市鹿野地区でクマの出没が相次いでいるとして、同地区に出没警報を発令した。期間は2週間で、6日には同市で緊急対策会議を開く。 県自然保護課によると、同地区では10月27日から11月5日にかけて、車と接触したり、カキを食べたりしているクマの目撃情報を計6件確認。人への被害の恐れがあり、警報の発令基準を満たした。 今年に入って同市では、10月5日から2週間、徳山地区へ出没警報を発令。岩国市南河内地区では3日から警報が出ている。