【2025年前半にも市場へ】ヒョンデ・イ二シウム 燃料電池自動車FCEVのコンセプト公開
ヒョンデの新たなデザイン言語「アート・オブ・スチール」とは?
発表会では、ヒョンデ&ジェネシス・グローバルデザイン担当のイ・サンヨプ副社長がイニシウム・コンセプトカーとヒョンデの新たなデザイン言語である「アート・オブ・スチール」を紹介。 「私たちの挑戦は製造段階から始まりました。鋼の成形性を極限まで高めて芸術品を作ったのです。『イニシウム』は、堅牢で安全な、よりSUVらしいデザインを作り上げました。この『顧客中心のデザイン』はお客様第一の考え方を反映しています」と述べる。 イニシウムのアイコニックなデザインについては、「水素が動かす未来」に対するヒョンデのビジョンを表したHTWOのシンボルでもある「+」をライトに取り入れた。 このライトはバンパーと調和し、独自のライティング、重量感のあるボディ、洗練されたエレガンスを特徴とするFCEV特有のデザインを生み出しているという。 SUVらしい風格を持ち、大胆なラインと強固な構造により都市生活での機能性とアウトドアアドベンチャーでの走行性をシームレスに統合したイニシウムは、頑丈さと洗練のバランスを実現。 21インチホイールは全体的なデザインに魅力を加え、頑丈なルーフラックは都市とアウトドア両方のライフスタイルを愉しむ人々のために実用性を高めていると説明された。
FCEVの性能・乗り心地・安全性を向上するイニシウム
イニシウムの開発は、水素自動車の主な強みである長い航続距離と優れた性能、ファミリーに最適な広々とした車内とラゲッジスペース、そして水素自動車ならではの利便性と安全性という、3つの主な側面を重視して行われたという。 水素をエネルギー源とするFCEVの最大の利点は、長い航続距離とそれがもたらす柔軟性だ。 ヒョンデは、イニシウムに大型水素燃料タンクを装備することで航続距離を最大化し、この水素FCEVの利点を強化。また、転がり抵抗の低いタイヤを採用して空気抵抗を低減したエアロダイナミック・ホイールを装着し、水素ステーション間の航続距離650km 以上を目標としていると語る。 性能では、優れた加速性とスムーズな追い越しを実現し、燃料電池技術をさらに発展させることで、スタックの出力とバッテリー容量を増やし、最大150kWの電気モーター出力を可能にしたことにより、都市部ではスムーズなドライビング、高速道路ではさらに高速の走行が可能と説明した。 ファミリー向けSUVにふさわしい広々とした車内スペースと汎用性を持ち、後部座席の広いリビングスペースや大きくリクライニングできるスペースがより快適な乗り心地を実現。ワイドなボディと大きく開くリアドアは、後部座席の乗り降りに便利だ。 FCEVならではのルートプランナーにより、FCEV購入を躊躇する大きな原因となっている水素充填対策も万全であると彼らは強調 。 この機能により、アプリにアクセスしたり電話をかけたりすることなく、途中の水素ステーションを見つけて最適なルートがわかり、見つけた水素ステーションへのアクセスのしやすさ、稼働状態、待機車両の数をチェックして、そのステーションで充電できるかを確認できる。 イニシウムの水素燃料電池は、汚染物質を排出せずに電力を供給し、この電力はイニシウムのV2L機能により、さまざまな家電や個人のデバイスにも使うことが可能だ。 特に、屋外ターミナルは220Vの家庭用コンセントに直接接続できるように設計されており、輸送手段としてだけでなくエネルギー供給手段としても活用できる。 ヒョンデの安全性に対するコミットメントに基づき、イニシウムは最高水準の衝突安全性と運転安全性能を世界的に達成するよう開発された。 衝突時の安全性を十分確保するため、フロントのマルチスケルトン構造とサイドボディ構造で強化するとともに、9つのエアバッグを装備することで、世界トップクラスの衝突安全性能を実現したとヒョンデは述べている。 ヒョンデは、11月のロサンゼルスオートショーと広州モーターショーでイニシウムを展示する予定で、イニシウムコンセプトカーの量産版は2025年前半に発売予定だ。
AUTOCAR JAPAN(執筆)