対戦格闘ゲームで初の店舗間対戦を実現した「鉄拳7」──“格ゲー”に新時代が到来か
バンダイナムコゲームスは、現在開発中のアーケード対戦格闘ゲーム「鉄拳」シリーズ最新作「鉄拳7」において、店舗間のオンライン対戦システムを導入。10月3日~5日までの3日間、namco巣鴨店とnamco大阪日本橋店でロケテストを実施します。これはアーケード対戦格闘ゲームにおいて非常に画期的な取り組みですが、ネット対戦が全盛の昨今、一体どのような点が注目されているのか見ていきましょう。
格ゲーの店舗間対戦でネックとなる“ラグ”
最近ではPC用ゲームだけでなく、家庭用ゲーム機でもインターネット経由での対戦が一般化しています。そんな中、なぜ今になってアーケード対戦格闘ゲームの店舗間対戦が注目を浴びているのでしょうか。 これまでのアーケードゲームでも、2002年に登場したコナミの「麻雀格闘倶楽部」をはじめ、店舗間対戦が可能なものはありました。そこから、コナミの「e-AMUSEMENT」やタイトーの「NESYS」、そしてセガ・サミー・ナムコが共同開発した「ALL.Net」など、各ゲーム会社がネットワークサービスを開始。通信対戦に加えて、全国ランキングの表示やプレイデータの保存などが行えるようになったのです。 しかし、対戦格闘ゲームに関してはこれまで店舗内対戦のみで、リアルタイムな店舗間対戦に対応したのは今回の鉄拳7が初めて。対戦格闘ゲームファンとしては、まさに待望のシステムといえるでしょう。 今まで対戦格闘ゲームで店舗間対戦が行えなかった大きな理由は“ラグ”にあります。ラグとは、簡単に言ってしまえばデータの遅延です。原因としては入力デバイスやゲーム内処理などの遅れも含まれますが、特に店舗間対戦で最大の懸念材料となるのがネットワークに起因するもの。距離が遠いと起きやすい“通信遅延”、回線自体のスピードを表す“帯域”の狭さ、通信品質の悪化でデータが上手く届かない“パケットロス”といった、複数の要因がラグを発生させます。店舗内対戦では気にならなくても、店舗外のネットワークを経由することでラグの発生率が大幅に上がるわけです。