キューバが新制度導入でグリエル、デスパイネ争奪戦が勃発!
今シーズンのプロ野球シーンにインパクトを与えたのはキューバ人選手の解禁だった。キューバ政府が外貨獲得とキューバ野球の国際普及を目的に代表選手の海外でのプレーを許可したことで、まず巨人が4月にフレデリク・セペタ外野手(34)と電撃契約。続いて5月に横浜DeNAが、走攻守が揃い「キューバの至宝」と呼ばれるユニエスキ・グリエル内野手(30)の獲得に成功した。飛行機嫌いで沖縄遠征を拒否するなど騒動も起こしたが、デビュー戦で猛打賞を記録するなどの結果を残すと、打線強化が課題だった千葉ロッテも、期限ギリギリの7月にアルフレド・デスパイネ外野手(28)を獲得。WBCなどで日本でもお馴染みだった3人のキューバ人が外国人助っ人として日本球界で活躍することになった。 結果として年齢的な衰えの目立ったセペタは52試合で打率・194、6本塁打、18打点と不本意な成績に終わったが、グリエルは、61試合、306、11本、29打点、デスパイネも、45試合で311、12本、33打点という及第点の結果を残した。3人共にキューバとは逆でオフシーズンのため、準備不足であったことや食生活など環境の大きな変化の影響を受けて故障を発生させて途中リタイヤしたが、グリエル、デスパイネの2人に関して言えば日本野球への順応力も素晴らしく来季のさらなる飛躍がおおいに期待できる。横浜DeNA、千葉ロッテの両球団は、キューバ政府に残留要請を出しているのだが、残念ながら来季の契約に関しては、まったくの白紙だ。 続投の決まった中畑監督も「グリエルには来季もやってほしいが、これだけはキューバ政府が決めることだから、こっちの希望通りにはならないんだ」と頭を抱えていた。 実は来季の契約に関しては、キューバ政府は、ポスティングシステム(入札制度)を採用する方向で動いていることが、複数の球団関係者にとって明らかになった。 今季の解禁を前に前評判では間違いなくグリエルがナンバーワンだった。それでも巨人はセペタを獲得した。その背景には「日本でプレーする第1号はキューバ野球に多大な貢献をしてくれたセペタでなければならない」というキューバ側の強い要望があった。