トップデザイナーがカーテン選びを重要視する理由
たった一枚の布が部屋全体を一変させ、インテリアに心地よい明かりを届け、外の世界へとつながる架け橋となる。アメリカの児童文学作家のローラ・インガルス・ワイルダーはこのことをよく知っていた。1937年の小説『プラム・クリークの土手で』の中で、彼女はこう書いている。「真っ白なカーテンは、透明なガラス窓の両側で結ばれていた。ピンク色に縁どられた雪のようなカーテンの間から、太陽の光が差し込みました」と。 今日では、“アクセントを与える”、“華やかにするもの”、“最後の仕上げ”など、デザイナーの間でカーテンに対する言い方は異なるかもしれないが、窓周りの装飾は常に部屋のインテリアを左右させるという点は変わらない。 本記事では、インテリアの重要なポイントとなるカーテンやブラインドなど窓周りの装飾について解説。なぜ必要なのか、今どんなデザインや素材のものがトレンドなのか、ぜひチェックしてみて。 US版「エル・デコ」より。
「最低限、機能的で美しいものであるべきです。それ以上に、窓周りの装飾は自分のセンスを表現する、またとない機会を提供してくれるのです」と、デザイナーのシーラ・ブリッジスは言う。一般的に、ファブリックは部屋全体の雰囲気だけでなく、空間の中で主役の色や質感を引き立てるものであるべきだ。
トレンドは?
「最近のトレンドは、ストライプ、花柄、インド・ジャイプールからインスパイアされた柄、そしてペールピンクなどの淡い色合い。そして、直線的でシンプルな仕立てが主流です」と、デザイン事務所カルマン&クラヴィスのリー・カヴァナフは語る。「この10年間で、選ばれる窓周りの装飾は、パネルカーテンと平らなローマンシェードに集約されました」。 しかし、これは必ずしも華やかさや魅力がないというわけではない。オーダーメードの窓周りの内装を手がける「ウォヴン・ホーム」の創業者、ダヴィーナ・オギルヴィーは、「リボンやポンポンなど、5年前なら古臭く感じた、楽しい小さなディテールをプラスすることへの関心が高まっています」と、指摘する。 とはいえ、まだ時代遅れ感が否めないデザインはいくつかある。例えば、バルーン型に整えられたカーテンや、窓の中央に垂れ下がる、半円形の装飾を特徴とするスワッグカーテン、コードやタッセルを使ってドレープを作ったドレッシーなカーテンなどだ。「もっといろいろあるのですが、うちの事務所の若手のほとんどは、私がどんなデザインのことを言っているのかわからないんです」と、オギルヴィーは話す。