どうして、元旦のスポーツ紙には“熱愛スクープ”がいっぱいなの?
取材力だけでなく交渉力も求められるスポーツ紙の芸能記者
「スクープも大事ですが、あまりに一方的に事を進めて芸能事務所や映画会社、レコード会社、テレビ局などと関係が大きくこじれると、そうした日々の取材ができなくなる可能性もある。その結果、他紙に載っている情報がウチだけ載っていない“特オチ”が続けば、一次情報を扱うメディアとしては致命傷にもなりかねません。もちろん、相手が難色を示しても記事にするときはしますし、それによって取材NGを食らうこともあります。ただ、付き合いがある手前“書き逃げ”はできないので、記事にする際は事前に連絡や最低限の交渉はするようにしています」(前出のスポーツ紙記者) スポーツ紙の芸能担当記者は取材力だけでなく、交渉力も求められることになるわけだが、その一方でこうした努力がスクープに繋がる側面もあるという。 別のスポーツ紙の芸能担当デスクは語る。
“元旦スクープ”を後押しする週刊誌の合併号休み
「相手が芸能事務所なら、売り出し中のタレントを記事で取り上げてあげたりとか、所属タレントにとってネガティブな週刊誌の記事の後追いを控えてあげたり、日頃から上手く付き合って信頼関係が築ければ、それなりの恩恵も受けられる。例えば、自社のタレントのまだ発表されていないニュースや週刊誌が水面下で追っているスキャンダルを他紙に先駆けて書かせてくれたり、ほかの芸能事務所のタレントの情報をこっそりと教えてくれたり……。それが結果的にスクープに繋がるケースも多いね」 とくに、“元旦スクープ”に関してはその色合いが濃いようで……。 「元旦のスクープは基本的に結婚などおめでたい話題が好まれることや芸能記事自体が大きく扱われやすいこと、後追いする週刊誌が合併号休み中で発売されず、変なイジられ方をしないという側面もあり、芸能プロダクション側としてもこちらにネタを振りやすいからね。とはいえ、最近は芸能事務所サイドも特定の新聞社の記者と深い関係を築くより、どこの新聞社の記者ともまんべんなく仲良くした方が得というスタンスのところが多いから1紙独占のスクープは減っているし、結婚や妊娠などに関してはテレビ局などほかのメディアのことも意識して、所属タレントに直接ブログで発表させたりしているけどね。」(同スポーツ紙デスク) “元旦スクープ”が紙面を賑わわせるまでには、さまざまな紆余曲折があるようだ。 (文責/JAPAN芸能カルチャー研究所)