“全国初”私学が「受け皿」づくり 部活動の地域移行 長野日大が「会社」設立「クラブ」運営 専門家「持続可能なモデルに」
他の中学校の生徒も受け入れ
冒頭で紹介した「日大ラボ」のクラブ「ブリジャール」は長野日大中のサッカー部を解消し、他の中学校の生徒も受け入れて活動している。 他の中学校にもまだサッカー部があるがー。 市内の中学校に通いクラブに所属する生徒は「いろんな中学校からやってきて、楽しくやれるのもいいと思う。中学校はナイター(設備)がないので、こっちでやった方が全然いい」、「原先生の指導を受けたくてこのチームに来たので、クラブ化したことはうれしい」と話す。 「ダメダメ怖がっちゃ。体当てることを、もっといく、ゴー」 指導者の原大助さん(54)。日大中の教員で部活動から引き続きクラブの指導も任されている。 原さんは「少子化の時代で部活動だけではなかなか賄えない活動を確保することで言えば、メリットが大きいのではないかと思っています。サッカーをしたい子たちが、われわれのクラブを選んでくれたことは非常にうれしい」と話し、生徒たちの成長を後押ししたいとしている。 一方、長野日大中のメンバーや保護者は部活動が無くなったことに「寂しさ」を感じているが、「地域の子どもたちがのびのびやってくれれば」と今後のクラブに期待している。
気になる月謝は
気になるのは費用。加入には登録料が必要で各クラブごとに月謝も徴収する。「ブリジャール」の場合は6000円。 一方、クラブは別の資金確保も。 練習場でひと際目立つのは企業のロゴが入ったバナー。 指導者のユニフォームにも。実は企業9社とスポンサー契約を結び資金提供を受けている。 原さんは「(以前)いろんな学校でサッカー部を教えていて、その教え子たちのつながりで私のサッカーに対する熱とかも十分に分かっている人たちだったので(依頼すると)二つ返事で喜んでということでやってくれました」と話す。 月謝やスポンサー料は外部指導者への報酬にも充てられている。 内山久人さんは建築関係の会社を営みながら、8年前から日大中サッカー部の外部指導者となり、引き続き日大ラボに登録して指導している。 内山さんは「子どもたちと接するというところをメインにしているので、あくまで報酬はおまけ、交通費、気持ち程度という形で受け取っている」と話す。