Photographer: Scott Olson/Getty Images North America

（ブルームバーグ）： 米疾病対策センター（ＣＤＣ）は、コロラド州やネブラスカ州を中心に同国西部で発生した腸管出血性大腸菌の集団感染にマクドナルドの「クォーターパウンダー」が関連していると発表した。これまでに49人が体調不良を訴え、１人が死亡した。

ＣＤＣによれば、10人が入院しており、小血管を損傷し致命的な血栓を引き起こす溶血性尿毒症症候群の合併症を患う子供１人も含まれる。全員が体調不良の症状が出る前にマクドナルドで食事をしたと報告しており、具体的には「クォーターパウンダー」を食べたと話しているという。

マクドナルドの株価は通常取引終了後の時間外で一時10％強下落した。

マクドナルドは、集団食中毒の発生を抑制すべく「迅速かつ断固とした措置」を講じていると発表。同社は、感染が発生した地域にある店舗でクォーターパウンダーの提供を中止し、サプライチェーンから原因と見られるスライスオニオンを排除するよう地域の全店舗に指示した。

同社は発表文で「今後数週間のうちに、クォーターパウンダーの供給を再開できるよう、サプライヤーと緊密に連携している」とし、他のメニューはすべて引き続き提供されることを明らかにした。

大腸菌は通常、人や動物の腸内に存在する細菌で、多くの場合無害。今回の集団感染は、病原性の高い大腸菌によるもので、感染者はすべて同じ大腸菌「Ｏ１５７：Ｈ７」に感染していた。症状は通常、細菌を飲み込んでから３－４日後に現れ、激しい腹痛や下痢、嘔吐などを引き起こす。

感染は10以上の州で発生しているが、コロラド州の感染者数は27人、ネブラスカ州は９人に上っている。

ＣＤＣは今回の集団感染の原因となった特定の原材料は特定されていないとし、調査官が生のスライスオニオンと生の牛肉パテの二つに注目していると説明。マクドナルドは、調査継続中は感染が発生した州の店舗からクォーターパウンダーのこれら二つの材料を撤去したとＣＤＣに伝えた。