昨季防御率10.95も…他球団が「すごい球を投げる」とうなる巨人の左腕は
先発ローテに割って入る
若手のブレーク候補と期待された昨季だったが、2月の春季キャンプ終盤に左肘の違和感を訴えて戦線離脱。リハビリを経て実戦復帰まで約3カ月間の月日を要した。6月23日の広島戦(マツダ広島)がシーズン初登板となったが、4回2失点で降板。先発で4度のチャンスを与えられたが、5イニングを一度も投げ切れなかった。9月3日のDeNA戦(横浜)は1回6安打7失点KO。ファームでは腕を振ってテンポよく投げていたが、一軍では変化球の精度が低いため投手不利のカウントになり、痛打される場面が目立った。 4試合登板で0勝1敗、防御率10.95。技術面で磨かなければいけない点はまだまだ多いが、球自体は決して悪くない。制球を気にするあまり慎重になりすぎ、持ち味の大胆さが失われているように感じた。 巨人の先発陣は戸郷翔征、山崎伊織、グリフィン、メンデスが確定。残り2枠は赤星優志、菅野智之が有力候補だが、横川凱、松井颯、ソフトバンクからトレードで加入した高橋礼が虎視眈々とチャンスを狙っている。ルーキーの西舘勇陽、森田駿哉も先発で起用されるなら競争に割って入ることになる。井上も負けられない。春季キャンプは二軍スタートなったが、コンディションを整えて実戦で結果を残し続ければ光が見えてくる。 巨人の日本人左腕は高橋優貴が21年に11勝をマークしたが、22、23年と2年連続で5勝以上をマークした投手がいない。他球団を見ると、先発左腕の活躍が目立つ。阪神は大竹耕太郎、伊藤将司が2ケタ勝利をマークし、オリックスも山崎福也(現日本ハム)、宮城大弥、田嶋大樹の3投手で計27勝を積み上げた。巨人も井上が2ケタ勝利を挙げる活躍を見せれば、V奪回にぐっと近づく。救世主になれるか。 写真=BBM
週刊ベースボール