「ウチだけNHK受信料を払わないのは恥ずかしい...」受信契約反対派「義父」と世間知らず「義母」に起きた大トラブルに共感
令和6年度の中間決算において、NHKの受信契約数が27万件も減少したという。 受信料値下げに加えて、契約数が減少したことにより、今期の受信料収入は400億円以上も減る見通しだ。 「憧れの『田舎移住』はクソ! 東京へ戻りたい...」妻の「生理日」も夫婦の出身大学もダダ漏れ。「プライバシーゼロ」のヤバい共同体とは 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、NHKの受信料契約についてこう語る。 「かつては何度も玄関先に足を運んで受信契約や支払いを求めるNHKの集金担当の姿をよく見たものですが、人手不足や経費削減により、現在は訪問集金が廃止されています。 一方で、放送法第64条第1項に「NHKの放送を受信できる受信設備を設置した者は、NHKと受信契約を締結しなければならない」と明記されており、テレビを設置している場合は必ず契約する義務があるのも事実です。 しかし、『NHKを全く見ないのに契約を義務化するのは横暴』などの声は未だ多く、契約者のみ視聴可能なスクランブル放送を求める意見も根強いですが、現状義務であることは確か。 裁判で割増金の支払い命令が出た事例もあるのでご注意ください」 今回、NHKの受信契約についてのご意見を取材していく中で、「NHKの受信契約がきっかけとなって、義実家が離婚騒動になっている」と語る40代の女性に出会った。 「数か月前、夫の母親が突然夜遅くに電話をかけてきて、『お父さんが手がつけられないくらい怒っちゃって...そっちへ行ってもいい?』と言ってきました。何事かと思ってめちゃくちゃ不安になりましたね」
こう話すのは、45歳のパート従業員・北本十和子さん(仮名)。 「義父は『喜寿』を迎え、今77歳ですが、その歳を感じさせない程、未だに血気盛んなんです。というか、歳を取って怒りっぽさが増したって義母は言ってます。 そもそも昔から重度の亭主関白だそうです。もう死語ですよね、亭主関白って」
十和子さんは夫と小学生2児との4人暮らし。人口50万都市の中心部でマンション暮らしをしており、義実家はそこから車で1時間ほどの郊外にある。 「義母は国道沿いのコンビニの駐車場から『ここから街の中心部に入ると車が多いから運転するのが怖い。だから、ここまで迎えに来てほしい』と電話で夫に頼んできたんです。 何があったかわかりませんが、仕方無いので、夫と2人で駆け付けて、夫が義母の軽自動車に、私がうちの車に乗ってわが家まで帰ってきました。深夜でしたし、本当に疲れましたよ」 迎えに行ってみると、義母は何とパジャマ姿にサンダル。見ようによっては、深夜の徘徊老人。それほど、かなり慌てて飛び出してきた様子が伺えた。 「家に帰ってきて、まだ起きていた子供たちを寝室に行かせてお義母さんに事情を聞いてみると、揉め事の原因は『NHKの受信契約』だと言うんです。なんのことがさっぱりわかりませんでした。 話を聞くと、お義父さんに内緒で契約して支払いしていて、どうやらそれがバレたらしいんですよ」 タンスの引き出しに入れてある母名義の通帳を義母が勝手にチェックし、NHKの引き落としに気づき大激怒したのだという。 「ツッコミどころしかないですよね。当たり前のことをしただけなのにキレられるのは、おかしいし、夫婦とはいえ勝手に個人名義の通帳見るのもあり得ないです...。 しかも、お義母さんが自分のお金で『受信料』を払ってるのにブチ切れるなんて、頭おかしいですって……」 何でも義父は昔から「NHK受信契約断固反対派」で、義母に対しても「どんなにしつこく契約を迫られても、絶対に拒否しろ。必ず追い返せよ」と言い聞かせていたという。 「お義母さんは、『昔から近所もみんな受信料を支払って玄関にNHKシールを貼ってるのに、うちだけ払ってないのが後ろめたい。最近は支払っていないと裁判になる!』と思ってたそうです」 NHKの職員が来て契約を迫られると「『俺がいる時に来いって言っておけ!と主人が申しております」と返事をすることに決めていたらしい。義父からそう命令されていたためである。 「うちの夫は義父とは正反対の温厚な性格。どんな小さなことでも家庭の決めごとは夫婦で話し合って決めてます。反面教師ってやつかもですね」 ところで、後ろめたいとはいえ、何十年もの間、夫の言いつけを守って「NHK受信契約」を拒んできた義母が、突然独断で契約しようと考えた理由は何だったのだろうか。 ☆後編では、NHK受信契約の理由に始まり、義父の過激なモラハラっぷりについて詳報していく。 Photo:Getty Images 取材・文:中小林亜紀