坂本勇人、田中将大、中田翔… 今季大誤算で来季が「背水の陣」になる名選手たち
坂本と同学年で36歳の田中将大(楽天)は、さらに厳しい立場に追い込まれている。昨年10月に右肘の手術を受け、プロ18年目の今季はコンディションが上がらず開幕からファームで調整が続いた。今季の初登板は9月28日のオリックス戦だったが、5回6安打4失点で黒星を喫して登録抹消。その後、1軍のマウンドに戻ることは叶わず、1試合のみの登板に終わった。 他球団のスコアラーは、「田中は直球が生命線の投手です。直球が走ってこそ、スライダーやスプリットが効果的になるが、全盛期に比べると直球の球速、キレが落ちているので変化球で打者を打ち取れず、配球が手詰まりになる。ファームでの投球を見ましたが、『打てるものなら打ってみろ』と打者を圧倒する威圧感が消えていることも気になりました。勝つ術は知っている投手なので、コンディションを万全できるかにかかっていると思います」と指摘する。 田中は球界を引っ張ってきた投手だ。13年に24勝0敗、防御率1.27と圧巻の成績で球団を創設初のリーグ優勝、日本一に導き、そのオフにメジャーに挑戦。名門・ヤンキースで14年から6年連続2ケタ勝利と先発陣の柱として稼働した。だが、21年に日本球界に復帰した後は通算20勝33敗と4シーズン連続負け越している。通算200勝まであと3勝。来季は大記録を通過点にして、復活する姿をファンは待っている。 3度の打点王に輝いた35歳の中田翔(中日)も背水の陣を迎えている。出場機会を模索して自身の希望で巨人から自由契約となり、中日に移籍。立浪和義元監督からポイントゲッターとして大きな期待をかけられたが、度重なる故障とコンディション不良に苦しんだ。今季62試合出場で、打率.217、4本塁打、21打点は当然納得できる数字ではない。来季が2年契約の最終年。井上一樹新監督が就任し、一塁の定位置をつかむためには結果で示さなければいけない。夏場以降に一塁のスタメンに定着した石川昂弥に加え、内外野を守れるカリステ、福永裕基もいる。 「中田は日本ハム時代の20年以来、規定打席に到達していない。復活のカギは故障せずにシーズンを完走できるかに尽きるでしょう。巨人時代に打撃改造に着手し、コンタクト能力が上がったことは間違いない。技術の引き出しは増えていますが、コンディションが整わなければ生かせません。巨人でチームメートだった同学年の菅野、丸佳浩はまだまだ第一線で活躍していますし、負けたくない思いは強いでしょう。来年は進退をかけたシーズンになります」(名古屋のテレビ関係者)