世界的リゾート地タイ・パタヤでエイズが蔓延…!懸念される日本人旅行者が「持ち帰る」危険性
パタヤのセックスワーカーの本音
「ゴムありなら2500バーツ(約1万円)。生でしたいならプラス500バーツ(約2000円)でOKよ」 【写真】13歳女優の官能シーンに批判殺到、上映中止に。女性監督が振り返る タイの東部パタヤで出会ったタイ人のメイさん(仮名・37歳)は、フリーランスのセックスワーカーとして、出会い系アプリで客を集めている。性行為で避妊具をしたがらない客がいた場合にどうするのか聞くと、何のためらいもなくそう語った。 リゾート地として日本人旅行者にも知名度が高いパタヤでいま、HIV(エイズウイルス)や性病などの感染症患者が急増している。現地で感染した旅行者が、母国に病気を持ち帰るリスクも高まっている。 '23年1月に報じられた現地のニュースによると、パタヤの感染症予防管理局のナカンヤ氏は、「'19年以降、HIVや性病といった感染症患者が増加傾向にある」と報告。その理由として、「性風俗従事者の間で避妊具の利用が減っていることがある」と指摘した。 そのニュースから約1年後の今年3月、同局に取材を申し込むと、現地で性風俗従事者を支援する団体「スウィング」を紹介された。スウィングは現地でHIV検査やカウンセリングサービスを実施しており、同局に感染者の情報を提供している。 スウィングの広報担当者は現状に対し、「HIV感染者数は懸念事項となっている」とした上で、「特に若年層における感染の増加は、HIV感染に対する意識の低下を反映している」と語った。 背景には、コロナ禍で観光業が大打撃を受けたことで、経済的苦境に陥った性風俗従事者が、コロナ明けに少しでも収入を取り戻したいという考えがある。 あるパタヤのセックスワーカーは、「この仕事は好きではないけれど、工場で働くよりずっと収入が多いの。コンドームが破れたり、お客さんが取ってしまったりすることもあって、病気にかかるリスクは高いけど、HIV予防薬を飲み続けるのは金銭的に大変」と話した。 国営放送タイPBSの報道によると、タイ保健省疾病管理局でエイズ部門の責任者を務めるチワナン氏は「オンラインで不特定多数の人との出会いが増えていることも、HIV感染が広がっている要因だ」と指摘する。 タイではコロナ禍、感染対策の一環で飲食店などの運営停止が命じられ、風俗店の運営も長期にわたって制限された。その間、性風俗従事者の多くは出会い系アプリに主戦場を移し、客を取り続けてきた。冒頭のメイさんも、コロナ禍でオンラインでの集客に力を入れるようになった一人だ。 コロナが明け、歓楽街に旅行者は戻ってきているものの、いまだにその傾向は続いている。出会い系アプリを開くと、露出した女性の写真とともに、プロフィール欄に「Freelance」と記載されていることがある。これは多くの場合、フリーランスのセックスワーカーを意味している。