高校野手のドラフト有力株、モイセエフ・ニキータの将来像は? 柳田、吉田になれるポテンシャル プロでは守備強化が課題か
今年の高校生野手でナンバーワンの評価を得ているのは石塚裕惺(花咲徳栄)と見られるが、選手としてのタイプは全く異なるものの、打者としての将来性で上回る可能性を秘めているのがモイセエフ・ニキータ(豊川)だ。 【画像】押さえておきたい「2024ドラフトの目玉」たちを厳選! 注目選手のプレー写真&寸評を一挙紹介 昨年秋の東海大会では4試合で16打数10安打の大活躍でチームの優勝に大きく貢献。明治神宮大会でも高々と打ち上げるホームランを放って見せた。迎えた今年春の選抜高校野球でもチームは1回戦で敗れ、モイセエフ自身も阿南光のエース吉岡暖の前に3三振を喫したものの、最終打席で新基準バットでの甲子園第1号を放ち、さすがの長打力を見せている。左のスラッガーという意味では高校生でトップの評価となりそうだ。 最初にモイセエフのプレーを現地で見たのは昨年秋の東海大会だったが、イメージが重なる選手としてまず思い浮かんだのが柳田悠岐(ソフトバンク)だ。身長は181cmと柳田ほどの上背があるわけではないが、全身を使って豪快に振ることができ、その思い切りの良さとヘッドスピードは際立っていた。 特にインパクトが強かったのが冒頭でも触れた昨年秋の明治神宮大会でのホームランだ。打った瞬間は高く上がり過ぎたかと思った打球がなかなか落ちてくることがなく、そのままライトフェンスを越えたのだ。 春の選抜でもファーストのファウルゾーンへ高々と上がるフライを打ちあげているが、その滞空時間は6.21秒を記録しており、これは高校生ではなかなか見ない数字である。ちなみにあまりに高く上がった打球に戸惑ったのか、阿南光の一塁手はこれを落球してファウルとなっている。 柳田も決して会心の当たりではない高々と上がったフライが、そのままスタンドインするようなホームランも多い。打ち損じがホームランになるのが真のホームランバッターと言われることもあるが、モイセエフもそのようなタイプの選手になれるポテンシャルは十分に秘めていると言えるだろう。 もう1人、少しスイングの形は違うものの、選手としてのイメージとして目指せるタイプとして挙げたいのが吉田正尚(レッドソックス)だ。