糟谷さん(鴨川)が経産牛の名誉賞 県乳牛共進会(千葉県)
第70回県乳牛共進会が、千葉市の千葉家畜市場で開かれ、鴨川市横尾の糟谷英文さん(57)が育てる「アクティブデール・キングドック・ルエラ」が、経産牛の名誉賞(グランドチャンピオン)に輝き、農林水産大臣賞を受賞した。安房地域の経産牛で名誉賞を受賞するのは2016年以来。「酪農情勢は厳しいが、評価を受けることで鴨川や安房の酪農が少しでも盛り上がる一助になれば」と喜びを語った。 県酪農農業協同組合連合会が主催。県内から未経産の部(1~4部)に20頭、経産の部(5~10部)に36頭が出品され、安房からは、安房郡市乳牛共進会で選ばれた21頭が出品された。糟谷さんは、経産牛2頭、未経産牛2頭を出品した。 キングドック・ルエラは、8部(3歳シニア)に出品。優等賞1席となり、5部(2歳ジュニア)~8部の各優等賞9頭の中でも、1席のインターミディエイトチャンピオンに選ばれた。 さらに、インターミディエイトクラスとシニアクラス(9、10部)のそれぞれ上位2頭となった計4頭で審査が行われ、「体全体の力強さや乳房の構造、乳頭のサイズや配置が優れている」として名誉賞に選ばれた。 糟谷さんは、大正8(1919)年から続く酪農家の4代目。遺伝的な改良を行いながら、たくさん食べる力をつけさせて運動もさせ、ストレスを与えないことなどを目指し、現在は110頭を飼育している。
2021年3月生まれのキングドック・ルエラは、糟谷さんが1989年に、1年間実習したカナダの農場から輸入した受精卵で生まれた乳牛の子孫。 昨年、初めての出産後、体とのバランスがとれた乳房で期待が高まり、関東地区共進会では2歳シニアの部で優等賞2席を受賞した。今年7月の2度目の出産を経ると、さらに充実度が増した。母親のアクティブデール・ジェダイ・ルエラも10部(5歳以上)で1席となり、「親子で1席を取ることができ、思いもひとしお」と話す。 来年は、県の予選会の後、北海道で全日本共進会が開催される予定で、「キングドック・ルエラが来年も順調に受胎・出産してくれることを願い、全日本を目指したい」と意気込んでいる。
優等賞以上の安房の受賞者は次のとおり。=敬称略 【名誉賞】 ▽5~10部(経産)=糟谷英文 【準名誉賞】 ▽1~4部(未経産)=安房拓心高校 【優秀賞】 ▽5~8部=糟谷英文 【優良賞】 ▽9~10部=糟谷英文 【乳器賞】 ▽8部=糟谷英文 ▽10部=糟谷英文 【優等賞】 ▽1部=(1)安房拓心高校 ▽2部=(1)亀田安彦 ▽3部=(2)亀田安彦 ▽4部=(1)石井智規(2)糟谷英文 ▽5部=(2)ファームイケダ ▽8部=(1)糟谷英文 ▽10部=(1)糟谷英文(2)水野圭一