東京藝大「吉原展」が大炎上で大河「べらぼう」はどうなる? 「女郎屋の粋が出せるか心配」
不謹慎、軽薄、中止にすべし……。まだ始まってもいないのに散々なたたかれようである。女性蔑視だとネット上で集中砲火に遭っているのは、東京藝大ほか主催の「吉原展」だ。 【写真】「オーマイガー!」スウェーデン美女も驚いた“吉原ディープスポット巡り”密着撮 ***
昔「吉原炎上」なんて映画がはやったことがあったが、今回の騒動はさしずめ令和版「吉原炎上」といったところか。 3月26日から5月19日まで、東京藝大美術館で開催される「大吉原展」。江戸の遊郭・吉原が舞台の浮世絵や、花魁の美人画を展示するもので、主催には藝大に加えて東京新聞とテレビ朝日が名を連ねる、大がかりなものだ。 それがなぜ“大火事”となったのか。
案の定、SNSが反応
きっかけは2月1日、同展の公式サイトが吉原について「ファッションの最先端 江戸カルチャーの発信地!!」と紹介したこと。続けて、「格式と伝統を備えた場所」「最新のエンタメもここから生まれた!」「お江戸吉原は年中イベント三昧」「夏の野外フェス? !」などの文言が並んだ。 案の定、そこに反応したのがSNSの世界。いわく、吉原は女性搾取の人身売買の場だった。それをアミューズメントパーク扱いするな、というわけだ。「中止せよ!」なんて声も出て、ついに主催者が釈明に追い込まれる騒ぎとなったのである。
「誰も礼賛なんかしてないんじゃない?」
とはいえ、当時の吉原がある種の文化の発祥地であったことは事実。 「そこまでヒステリックにならなくてもいいような気がするね」 とは、演芸評論家の吉川潮氏である。 「何百年も前の江戸の世界の話について今の理屈であれこれ言っちゃ駄目ですよ。吉原がホントはどんな場所だったかなんて今時みんな知ってます。誰も礼賛なんかしてないんじゃない? 昔、吉原の料理屋さんで花魁ショーってやってたの知ってる? はとバスのコースに入っていたりしてね」 それがいつしか運動家の批判に遭い、コースから外せとまで迫られたという。 「それと同じ臭いを感じるな。だいたい批判する人たちもさ、人身売買だなんだって言うなら今の吉原に行ってみたら。女性の人権を言うならネットに書き込みするより前に、そっちに抗議してほしいなあ」 落語にも歌舞伎にも遊郭を扱ったものがあるが、それにもケチが付けられかねない、というのだ。