「アメリカなら年収1000万円」日本の清掃員の賃金、なぜ安い? マシンガンズ滝沢の考察
お笑いコンビ・マシンガンズとして活動する傍ら、ごみ清掃員として働く立場から、インタビュー前編では集積所に捨てられる“珍妙”なごみや、まだまだ使える、あるいは食べられる“もったいない廃棄物”の数々について語ってくれた滝沢秀一さん。 後編では、少子高齢化におけるごみ捨ての課題や、これからの時代における消費のあり方などを話してくれた。 【動画】廃棄されるエアバッグでバッグができる?
ごみを減らしてお金に換える自治体の取り組み
――インタビュー前編で、滝沢さんは「ごみをなくすことでお金が発生する仕組みを構築したい」と話していましたが、現実的に可能でしょうか。 「たとえば、僕が今着ている服は、すべてレンタルです。上着が3着、ボトムが1着、コーディネートされたものが毎月送られてきます。これはつまり、ごみをなくしてサービス料を発生させていることになります。 ごみ集積所には、本当に洋服が多いんですよ。なかには値札が付いたまま捨てられている場合もある。安いからととりあえず買って、時期が過ぎたから袖を通さずに捨てる、来年には来年の流行があるし、もういいやと。それをなくすだけで、環境への負担はぐっと減ります。 あとは、各地域にコンポストの設備を用意し、生ごみを堆肥(たいひ)にして売り出す方法もある。会員制にして設備費や運営費をまかない、コミュニケーションの場として活用するのもありだと思います」 ――すでに、ごみをお金に換える方法に取り組んでいる自治体もあるのでしょうか。 「鹿児島県大崎町はリサイクルの町として知られ、SDGs(持続可能な開発目標)に関する賞を何度も受賞しています。少子化のあおりを受けるこの町では、子どもたちの負担を減らすため、焼却炉を建てない選択をしました。その代わり、ごみの細かな分別を徹底的に行なった。 分別をしっかりやれば、実はほとんどのごみは資源になります。ペットボトルや瓶、缶は業者に売れるし、生ごみも堆肥にして販売できる。燃えるごみも、紙なら古紙に回せば、また紙に換わりますし、その分、二酸化炭素を発生させる熱回収(サーマルリサイクル)の量も減ります。 大崎町のすごいところは、そうして生まれたお金を教育費、つまり奨学金に回しているところです。長期間、無利子で少しずつ返せる制度で、少子化を防ごうと考えているわけです」