[山口県]「長州9人目の宰相に」林氏、総裁選出馬表明 下関後援会「経験と実績」で期待
林芳正官房長官(衆院山口3区選出)が3日、自民党総裁選への出馬を正式に表明した。参院議員時代の2012年以来2回目となる挑戦。地元の下関市貴船町にある林氏の事務所には後援会幹部らが集まって会見中継を見守り、下関後援会の岡本博之会長(80)は「経験と実績を積んでおり、この人なら日本を任せられる。何か問題があってもきちんと対応できる」と期待を込めた。 林氏は官房長官就任後初となった7月のお国入りでは報道陣に「地元に今回帰って『いずれ総裁に』という声をたくさん頂き、政治家冥利(みょうり)に尽きる。志をしっかりと持ち続けて精進を続けたい」と語る一方、「政権の一員としてしっかりと岸田政権を支えていく」と9月の総裁選への考えについては言及を避けていた。当時は岸田文雄首相を支える官房長官という立場に加え、当時の岸田派(宏池会)のナンバー2である座長だった背景がある。その後、岸田首相が8月14日になって次期総裁選不出馬を表明。林氏を推す声が次第に上がり、立候補を決断した。 岡本会長は「“長州9人目の宰相”に。彼(林氏)が国会議員になった時から支援者が願ってきたことだ」と感慨深げ。林氏本人は不在だが総裁選告示前日の11日に下関市内で決起大会を開き、「後援会として地元からバックアップしていく」と意気込む。 一方、自民が野党だった12年9月に行われた総裁選では林氏は5人の候補者中、議員票、地方票ともに最下位で、上位2人による決選投票には遠く及ばなかった。この時に勝利したのは山口4区選出の安倍晋三氏(故人)だった。 政界きっての政策通で外相など多くの要職を歴任してきた実績が強みの林氏。混戦の模様を呈している今回の総裁選では、地方票が大きな鍵を握るとされる。 岡本会長は「(12年の総裁選の時は)知名度がなかったが、今回の会見で記者の質問に的確に答えるのを聞いて自信を持った。一般の人も『世間の人気だけではないよね』と感じたのでは」と語った。