中国河南省、学生たちの夜のサイクリングブームに制限
【東方新報】中国の大学生にとって、シェアサイクルに乗って友人たちと夜間、河南省内(Henan)を50キロも走ることは、若いサイクリストの情熱の究極の表現なのかもしれない。しかし、参加者が増えるにつれ、問題も発生してきた。 この集団サイクリングは、河南省の大学生を中心にブームとなっている。大小様々な学生グループが、夜遅くシェアサイクルに乗り込み、5時間以上もペダルをこぎ、省都の鄭州市(Zhengzhou)から開封市(Kaifeng)まで50キロの道のりを走破するのだ。 このブームの始まりは、6月18日に鄭州出身の4人の若い女性が、開封の名物料理の蒸し餃子の一種「灌湯包(Soup dumpling)」を試してみようと、衝動的に旅に出たことがきっかけだった。 午後7時頃に出発した彼女たちは、目的地に到着して熱々の「灌湯包」にありつくまで、5時間以上も延々とシェアサイクルをこぎ続けた。 彼女たちの冒険は、ソーシャルメディア上で瞬く間にセンセーションを巻き起こした。「ハッシュタグ・若さには値段なし、開封へのナイトライドはたちまち人気トピックとなった。 蒸し餃子を求めて始まったこの旅は、若者のエネルギーの象徴となり、他の人びとにも共有体験を提供した。自転車での旅は人気を博し、夜には道路を埋め尽くすほどの長蛇の列ができることもあった。 しかし、ワクワクするような冒険として始まったこのイベントは、一連の問題を引き起こすことにもなった。 多数の学生が集団でサイクリングしたため、交通が混乱し、一部のグループは車線をふさいだり、並んで走ったりした。 この問題に対応するため、両市の交通警察は9日午後、臨時措置を発表した。発表によると、9日(土曜日)午後4時から10日(日曜日)の正午まで、2都市を結ぶ鄭開大道沿いの自転車専用レーンは自転車の走行が禁止された。 一方、開封市の住民からは、市の名所付近に自転車が適切に駐車されておらず、その地域では歩行が困難になっているとの報告もあった。また、鄭州市では地下鉄駅に自転車が不足し、多くの通勤客が足止めされた。 9日には、シェアサイクルの3大プラットフォームである「哈囉出行(Hellobike)」「滴滴出行(Didi Chuxing)」「摩拝単車(モバイク、Mobike)」が共同で、鄭州の指定区域外で自転車に乗った場合は自転車がロックされるという通知を発表した。 また、シェアサイクルを長距離で利用することの健康リスクについても警告した。 同じく9日には、開封市政府が学生たちに大人数での利用を避けるように呼びかけ、「若者には情熱だけでなく安全も必要だ」と注意を促し、学生たちが自らの行動に責任を持ち、公共の安全を考慮するよう呼びかけた。 深夜のサイクリングはとりあえず中止されたが、この深夜のサイクリングは多くの学生たちにとって忘れられない思い出となった。 河南大学(Henan University)の女子学生・リュウさんは10日「この体験は忘れられないもので、非常に有意義でした。みんなで一緒に歌い、一緒に上り坂を登りながら互いに応援し合いました。若者たちの情熱を感じることができました。そして、それは単なるサイクリング以上のものだったのです」と、思いを込めて語った。 彼女は「自分たちは週末に都市間サイクリングする際に設けられた交通規制や厳格な管理についても学びました」とも付け加えた。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。