CANDY TUNE、赤裸々に語るグループの現在地 後輩の躍進、バズへの意識、7人の絆「私たちって永久機関」
アソビシステムによる日本のアイドル文化を世界に向けて発信するアイドルプロジェクト「KAWAII LAB.」。FRUITS ZIPPER、CUTIE STREETと次々にブレイクアーティストを生み出し、2024年の音楽シーンにおいて大きな存在感を示した。そんな本プロジェクトより、2023年にデビューした7人組アイドルグループ・CANDY TUNE。同年に発表した「キス・ミー・パティシエ」がアイドルファンを中心に幅広い世代にまで波及し、いわゆるバズを起こしたのも記憶に新しい。 【写真】CANDY TUNE インタビュー 撮り下ろし写真一覧 彼女たちがコンセプトに掲げているのは「NEW WAY」。多様なカルチャーの発信地であり、個性の集まるファッションの街・原宿から個性豊かなメンバーたちが新しい道を切り開いていくという想いが込められている。2024年もアイドル界で存在感を発揮したCANDY TUNEは、現在の状況をどのように見ているのか。今年の活動を振り返りながら、CANDY TUNEが考える“きゃんちゅーらしさ”、メンバー視点から見るKAWAII LAB.、2025年の目標まで幅広く聞いた。(川崎龍也) ■「キス・ミー・パティシエ」で感じた手応え メンバー主導で目指す“バズ” ーー今年8月にCDリリースされた「キス・ミー・パティシエ」はCANDY TUNEを代表する1曲となりました。皆さんにとって、どのような楽曲になりましたか? 福山梨乃(以下、福山):実は、「キス・ミー・パティシエ」よりも、同じタイミングでできていた「hanamaru」という曲のほうが耳に残っていたんです。でも、ライブをやってみると、「キス・ミー・パティシエ」は本当に盛り上がる曲で。ただ甘いだけじゃなくて、どこか重みがある、そういう部分が今やっと「私たちらしい曲だな」と思うようになりました。まさかここまでバズるとは思ってもいませんでしたね。 桐原美月(以下、桐原):私は思ってました! 初めてこの曲を聴いたとき、「え、これ絶対バズるやん!」って(笑)。デビューしたての頃に、この曲をTikTokで踊ってくださる方がいて、ちょっとひと波盛り上がりがあったんですよ。それを見て「みんな、さすがやな」と思いましたね。その後、CDをリリースしてから、またあらためて流れが来たので、「やっと世間がこの曲に気づいてくれた!」って嬉しかったです。 ーーこの曲でCANDY TUNEの知名度は大きく上がりました。TikTokを中心に若年層への波及が大きな要因だと思うのですが、“バズる”みたいな感覚って皆さんは掴めているのですか? 村川緋杏(以下、村川):2年弱、きゃんちゅー(CANDY TUNEの略称)として活動してきて、「これはバズりそう」という感覚がやっと掴めてきた感じはあります。 小川奈々子(以下、小川):みんなでもそういう話はよくします。「これが今バズってるよね」とか。 福山:私たちも手探りでやっている状況なので、スタッフの方たちと話し合いながら、SNSひとつとってもどういう投稿するかをよく話し合います。 立花琴未(以下、立花):でも、私たち自身はまだバズれてはいないっていう感覚なんですよ。 福山:そうそう。なので、来年こそバズりたいです! ーーたとえば、バズるために皆さんのなかで心がけていることはありますか? 福山:最近はスタッフさんにすごく良いカメラで舞台裏やメイキングの様子を撮っていただいていて、その日のうちにライブのハイライトとしてまとめてSNSに載せていただいているんです。私たちとしては手応えがあったので「YouTubeにも載せてほしい」とお願いして、今それを実践しているところです。スタッフさんと一緒に「これをやりたい」「あれをやってみたい」と、いろいろなアイデアを見つけ出しながら活動しています。 立花:楽屋裏の様子とかもよく撮るんですけど、鮮度が大事なことはみんなわかってるので、その日のうちに投稿するようにしてますね。 南なつ(以下、南):アソビシステムって、自己プロデュースが上手な子がすごく多いんです。それに加えて、スタッフさんたちもSNSの活用方法や戦略についていろいろと教えてくれるので、その相乗効果で個人としてもグループとしてもすごく伸びているなって感じますね。 村川:グループ加入当初に1カ月くらい(SNSに関する)授業みたいなものをしていただいたんですけど、それがすごく具体的で。「こうやったらどのくらい伸びたのか」とか「結果が出たからこんな反響があった」とか、わかりやすい言葉で教えてくださるので、そこでSNSへの向き合い方が大きく変わりました。その向き合い方が変わった7人が揃って一緒に成長してきたので、流行の取り入れ方やSNSへの向き合い方の熱量が同じくらいになって、ベースがしっかり出来上がったように感じます。 南:最初は毎日投稿がキツイという子もいたんですけど、今はもう当たり前のようにみんなで毎日投稿できているし。 小川:あの経験はすごく大きかったよね。 ーーこの1年間、さまざまなトピックがあったと思うのですが、リリースイベントでの立花さんの映像がSNS上でバズを起こし、新たなファンの獲得につながりましたよね。その状況を、立花さんやほかのメンバーはどのように捉えていましたか? 立花:びっくりしました。これまでアイドルに興味がなかったという方が「初めてライブ会場に来ました!」と言ってくれることも増えて、そういう出会いがSNSの発信力から生まれるんだって。でも、バズることって狙ってできるものじゃなくて、ファンの方との関係性が大切なんだなと感じました。そうやって新しい人に知ってもらえる機会が広がるのは本当にありがたいですし、そこからまた風向きが変わりましたね。 ーー立花さんが話題になると同時に、その投稿をしたファンの方の名前も話題になるという。 福山:そうなんです。私たちの名前よりも、ファンの方の名前のほうが有名なんじゃないかっていうミラクルが起きていて(笑)。MVのコメント欄を私もよく覗くんですけど、私たちの名前よりもファンの方の名前が出てくる回数のほうが多いんですよね。 小川:そこからきゃんちゅーに流れ着いてくださった方がたくさんいるので、ファンの方にはもう頭が上がらないですね。感謝状をあげたいぐらい感謝しています(笑)。 ■「もっと何かできたんじゃないか」後輩グループから受ける刺激 ーーKAWAII LAB.としては、今年の大きなトピックとしてSWEET STEADYとCUTIE STREETというふたつのグループがデビューしました。 福山:すいすて(SWEET STEADYの略称)が結成されるとき、私たちもデビュー1年目だったので、少なからず焦りは感じていました。特になちこ(小川)が「次のグループはこんな感じらしいよ」みたいな噂を持ってきて、ひとりで焦っていることもありましたね(笑)。でも、すいすてができてからは、「私たちの良さはここだな」とか「私たちの個性ってこれなんだな」ってあらためて気づかされることが増えて、逆にすごく良かったなと思っています。本当にありがたい存在でもあるし、お互いに高め合っていきたいなという気持ちになれました。 ーー皆さんのなかではライバルっていう感覚ではないんですか? 小川:うーん、ライバルではないかもしれない。私は自分の強みとして「これです!」とはっきり言えるものがないからこそ、自分に対しての焦りがありました。 村川:年功序列的に考えると、私たちが先にバズらなきゃいけないっていう気持ちはすごくあります。だからといってライバル視しているわけではなくて、「私たちももっとガンガン行かなきゃな!」と後押しされるような気持ちです。もちろん、今きゅーすと(CUTIE STREETの略称)が売れていることに対して悔しいという気持ちは少しあるんですけど、それはきゅーすとに対してではなく、「私たちももっと何かできたんじゃないか」という、自分たち自身への悔しさや焦りなんだと思います。 ーーいい刺激になっているんですね。 村川:超刺激になってます! ーー『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)にKAWAII LAB.として出演したりと、グループ同士で活動する機会も増えていますが、グループ同士で交流はあるんですか? 村川:カラー別に分かれてTikTokを撮影したりすることも多いです。それもあって同じ色のメンバー同士で交流する機会が自然と増えたりしていますね。 桐原:それで言うと、CUTIE STREETの川本笑瑠ちゃんが入ってきたとき、あまりにもかわいすぎて、普段私は人見知りなんですけど、自分から声をかけに行ったんです。同い年だったこともあって、すぐに仲良くなりました。それ以来、笑瑠ちゃんがひとりで自主練するときには私もついて行って一緒に曲を練習したり、ご飯を食べに行ったりすることもあって。私生活でも仲良しだし、彼女の真面目なところをずっと見てきたので、今こうやってバズったり、世間に認められたりしているのを見て、本当に嬉しいです。お友達としても、仲間としても、後輩としても、すごく誇らしい気持ちですね。 南:私は、すいすての白石まゆみちゃんと偶然お家が近くて。でも、お互い忙しくてなかなか時間が合わないんです。だから朝8時とかに集まって、花見をしたりして。 福山:しかも、お弁当作ってたよね。きゃんちゅーいちのお節介お姉さん(笑)。 南:同い年のメンバーが多いので、気になっちゃうんです(笑)。 村川:この言い方が合っているかはわからないんですけど、KAWAII LAB.には本当に“いい子”が多いんです。逆に「性格が悪いな」と思うような子がひとりもいないんですよ。みんなのことを心から大好きだなって思えるし、人柄の良さがKAWAII LAB.の魅力だなって思います。 福山:それぞれが“かわいい”を持ってるんです。事務所によっては、(所属しているグループの)系統や雰囲気が似てきちゃうこともあると思うんですけど、KAWAII LAB.はそれぞれが自分の道を突き進んでいる感じがあって。それぞれ顔の特徴も違うし、キャラクターもバラバラなんですよね。たとえば、メンバー全員を見せたら、「絶対にひとりはタイプの子がいるだろうな」と思うくらい、多岐にわたる個性があるなって。本当に最強だなと感じています。
【関連記事】
- FRUITS ZIPPER、CUTIE STREET……KAWAII LAB.が若者に刺さる理由は「とか」にあり?
- FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE、SWEET STEADY、CUTIE STREETが集結! 合同ライブで体感した「KAWAII LAB.」の勢い
- FRUITS ZIPPER、念願の武道館で広めた“NEW KAWAII”の輪 2万4千人集客の2周年ライブを振り返る
- 超ときめき♡宣伝部、FRUITS ZIPPER、新しい学校のリーダーズ……TikTokバズを生み出すダンスの傾向
- アソビシステム発アイドルグループ FRUITS ZIPPER、TikTok話題曲がバイラル好調 “KAWAII”無敵ぶりを発揮するプロ集団