憧れのスターと共演 ドラマのエキストラになる方法 仕事内容は?ギャラは?
オーディションがあるエキストラも 数秒の出演で半日待機もある
ちなみに、冒頭でふれた「花のち晴れ」でも、イケメン黒服男性役のエキストラ募集情報があった(現時点ではすでに募集・撮影とも終了)。条件にははっきりと「20~30代の高身長イケメン男性」とあるから、誰でも良いというわけではないし、エキストラでもオーディションが行われる場合もある。 「出演時間はわずか数秒なのに、半日待機しなければいけない現場もありますよ」と明かすのは、実際にエキストラ派遣会社に登録しているという50代男性会社員。本業とは別に、できる範囲でエキストラ出演を楽しんでいるのだとか。 「ある映画で、女子高生の娘の文化祭を参観にきた父親という設定のエキストラをしたときは、夏に撮影したのですが、物語の設定が秋なので長袖ジャケットで暑かったです。そのシーンは映画ではわずか2、3分なのですが、同じシーンをアップや全景、キャストごとなどいくつも撮り分けるため、朝早くから集合して丸一日かかりました。でも、単純にぼーっと観ているだけではなく、『娘を見つけて笑顔で手を振ってください』と芝居をつけられたので、やり甲斐はありましたね。ただ、作品が出来上がってみたら画面にはその他大勢として映っていただけでしたが。日当? あのときは3000円で3食分弁当が出て、映画の記念品や鑑賞券ももらえたので悪くはなかったと思います」 他にも70年代という設定の作品の際は現場でクラシックな七三分けに髪の毛をセットされたり、時代劇の農民役ではぼろぼろの衣装で顔と手足を日焼け、泥汚れのように塗られるなど、エキストラといえど苦労はあるようだ。 「農民役のときは、テントやブルーシートに汚い格好に仕上がったエキストラが300人ほどあふれ返っていて、すごい光景でしたよ。薄い草履をはいて、小石が散乱している坂道を歩いたので、足が痛くなっちゃいました。でも、主要キャストがイケメン俳優だったので、女性のエキストラもかなり多かったんです。けっしてきれいな役ではないんですけどね。それに、俳優さんに近寄れるわけではないですし、まして握手や写真、サインを求めることは原則として禁止です」(前出・50代男性会社員) 好きでなければできない仕事のようだが、それでも作品にちゃんと姿が映っていたり、芝居をつけられたり、セリフがあった場合などには、なんともいえない達成感も味わえるという。 (文・写真:志和浩司)