高砂部屋が23年ぶりに移転 同じ東京・墨田区内もさらに両国国技館の近くへ
大相撲の名門、高砂部屋が23年ぶりに、部屋を移転することが分かった。関係者が27日、明かした。 【写真】現在の高砂部屋 初場所千秋楽翌日の来年1月27日に引っ越し作業に入り、同2月2日に部屋開きを行う。同じ東京・墨田区内の移転だが、これまでよりも東京・両国国技館に近づくことになった。高砂部屋の移転は02年2月以来。先代高砂親方(元大関朝潮=故人)が、現在の墨田区本所に若松部屋を構えていたところに高砂部屋が合併し、部屋名が変更されていた。 かつて朝青龍が、猛稽古で横綱まで駆け上がった稽古場と別れを告げることになった。新たな部屋は墨田区石原に構える予定で、現在は工事中。同じ高砂一門の八角部屋、錦戸部屋から徒歩10分程度に位置する。関係者は「部屋は地上3階建てで、稽古場も上がり座敷も、今の1・3~1・4倍ぐらい広くなる」と明かした。土俵は変わらず1面だが、土俵周りを広げることで、四股など基礎運動の充実を図る狙いがある。 生活も変化する。これまでは若い衆は原則、大部屋で寝ていたが、新たな部屋は「7~8人で寝る部屋がいくつかある」と、中部屋のスタイルとなる。関取用の個室は2人部屋サイズだけに「関取が増えたら相部屋として使うことも」と、名門の隆盛も視野に入れている。2月2日の部屋開きは、午前に土俵開きの神事を行った後に早速、最初の稽古を行い、午後にホテルで祝賀会を予定している。 ◆高砂部屋 1878年(明11)に創設。代々、師匠は「高砂浦五郎」を名乗り、現親方で8代目。これまで横綱7人、大関15人を輩出している角界屈指の名門。7代目の先代高砂親方(元大関朝潮)が20年12月に65歳となり、相撲協会の定年を迎え、前錦島の元朝赤龍が名跡を交換。8代目として部屋を継承した。以降は先代の部屋を借りる形で稽古してきた。現在、師匠高砂親方ほか、若松親方(元前頭朝乃若)が部屋付き、力士24人(初場所初土俵予定の2人含む)、行司2人、呼び出し2人、若者頭伊代桜が所属。元関脇高見山、元大関小錦、元横綱朝青龍ら外国出身の個性派力士を輩出するのも特徴。