角野隼斗、“堂々とした振る舞い”を意識してステージに上がったものの…うっかりエピソードを明かす
新たな音楽と出会える“クラシックの初演”
続けて角野は、大阪の関西フィルのコンサートに参加したエピソードを語った。 角野:先週はボルチモアにいましたが、先々週は大阪にいまして。大阪で関西フィルと、藤岡幸夫さんという指揮者と菅野祐悟さんの新作のピアノコンチェルトを初演するというコンサートがありました。クラシックは昔の曲を演奏するというイメージがあると思いますし、もちろんそれが主流なんですけれども、なかには現代の作曲家が現代の音楽家のために書いた新しい曲をコンサートで演奏するということもあるんですね。そういうときは、我われ演奏者もお客さんも知らない、新しい何かに出会うワクワク感というのがあります。 関西フィルハーモニー管弦楽団の第350回定期演奏会では、菅野による書き下ろしのピアノ協奏曲が披露された。 角野:菅野祐悟さんという、劇伴の世界でもっとも有名な1人と言っても過言ではない方に、僕のためにピアノコンチェルトを書いていただきまして。とても壮大で新しい響きもあり、おもしろいのがピアノだけじゃないんですよね。僕がよく使っているトイピアノと、ピアノのなかの弦を直接ミュートして特殊な音を出すっていう内部奏法があるんですけど、そういう普段では使わないようなセットも取り組んだ曲を書いていただきまして、大変素晴らしい機会でした。いつか、それがどこかで流れるときもあるかもしれないので、そのときは楽しみにしていただけたらと思います。
広大な砂漠で月の光を浴びる
10月30日(水)、角野は世界デビューアルバム『Human Universe』をリリースする。発売に先駆け、番組では未配信のアルバム収録曲『月の光』をオンエアした。 角野:ドビュッシーのとても有名な曲ですけども、あえて僕はアップライトピアノで演奏しました。僕あまり知らなかったのですが、月の光って本当に明るいんですよ。このあいだモロッコにミュージックビデオの撮影に行ったのですが、人工的な光が何もないところに、満月の光だけが照らされていたんです。 砂漠を照らす月の光を間近で観測した角野は、改めて月の明るさを体感できたと話す。 角野:明るいと言っても、それは太陽の光が月に反射してさらされているだけなんですよね。それなのにこれだけ明るいっていうのはすごいことだなと思ったりしました。そんな明るい間接光の雰囲気が『月の光』にはとてもよく現れているなと思い、今回のアルバムのテーマが宇宙ということもありまして、月にちなんだこの曲を収録で演奏してみました。11月3日の放送は「『Human Universe』リリース直後のオンエアということで、アルバムの制作エピソードやアルバムのお話を、たくさん曲をかけながら話していこうと思います。 『ACROSS THE SKY』のワンコーナー「TOKYO TATEMONO MUSIC OF THE SPHERES」では、角野隼斗が音楽を通したさまざまな“出会い”をもとに選曲と語りをお届けする。オンエアは11時30分頃から。