「トーマスをなくした」と泣く子を慰めたい…リッツ・カールトンの「上司の許可なしで30万円」という神対応
■米軍出身のMIT教授が語った「改革の成果」 同僚に権限を委譲することは、スピードだけでなく、パフォーマンスの向上、仕事への満足度の高まり、対人信頼感の深まりなど、他のメリットもある。 私たちは、勲章を授与された元中隊長エミリー・ハネンバーグに、デンプシー大将の真新しいリーダーシップの考えかたの影響についてインタビューしたことがある。10年間の兵役中にハネンバーグは見事に頭角を現し、「ミッション・コマンド」に携わる新たな将校を訓練するための、マサチューセッツ工科大学の軍事学教授に選ばれた。ハネンバーグは、部隊のパフォーマンス、士気、さらに、そう、スピードの向上を強調したが、何よりも注目すべきは、そのモデルによって兵士たちの自身の能力に対する認識が変わったことだと語った。 「私たちは当然のことながらより速く動くようになりましたが、もっとも大きな影響を受けたのは自信です。自分の影響の及ぶ範囲で人を率いることを任されると、自分にできるとは思ってもみなかったことができるのだとわかります。それによって、自分自身との関係が変わるのです」 より専門的でない私たちのことばで表現すると、こんなふうになる。チームをエンパワメントする方法を模索していると、スピードが訪れ、同僚は幸せになり、能力を開花させていく。 ---------- フランシス・フライ ハーバード・ビジネススクール教授 戦略、経営、文化における卓越性を計画することによって、リーダーがどのように組織と個々人が成功する状況を生み出すかを調査する研究をおこなっている。定期的に、業績向上の梃子となるダイバーシティやインクルージョンの推進を含めた大規模な改革や組織的変革に乗り出す企業と共に働いている。2017年、ウーバーで初のリーダーシップ、戦略担当上級副社長を務め、リーダーシップと文化に関して世間から大きな批判を浴びていた同社の立て直しに尽力した。 ---------- ---------- アン・モリス 起業家、リーダーシップ・コーチ ザ・リーダーシップ・コンソーシアムの創設者。同組織は、これまでに類を見ないリーダーシップ促進機関で、女性やピープル・オブ・カラーの人たちが最高幹部の職務につくための準備を手助けしている。アンは、過去20年間、使命を重視する企業を育て、率いてきた。さらに、リーダーシップ、文化、大きな変革に関して世界各国の組織や政府と共に働いてきた。その顧客は、初期段階のテック企業の創業者から国家競争力の強化に取り組む公的機関のリーダーまで多岐にわたる。 ----------
ハーバード・ビジネススクール教授 フランシス・フライ、起業家、リーダーシップ・コーチ アン・モリス