フランスF4で年間チャンピオンに輝く 加藤選手、快挙 三重・多気出身の高2
全21レース終え、暫定結果 F1レーサーへ〝大前進〟
三重県多気郡多気町片野出身の高校2年・加藤大翔選手（16）が、フランスのポール・リカール・サーキットで開催されたフォーミュラカーレースの「2024フランスF4選手権」の最終戦（全7戦）に出場。全3レースを走り、レース1で暫定優勝するなどしてポイントを重ね、全てのシリーズ（全21レース）を終えて、暫定結果ながら年間総合チャンピオンに輝いた。
フランスF4選手権は、若手ドライバーの育成アカデミーとして、10代後半から20代前半のドライバーが世界中から参加するF1を頂点とするフォーミュラカーレースの一つ。 加藤選手は幼少期からレーサーに憧れ、小学校低学年からカート大会に参戦。数々のレースで成績を残し、熊本県に本校を置く通信制高校に在籍しながら、ホンダ・レーシング・スクール鈴鹿（鈴鹿市）のフォーミュラクラスに入校し、昨年首席で卒業。公式レース参戦のスカラシップ（奨学制度）を獲得して、今年3月から拠点をフランスに移して、ホンダの選手としてフランスF4に出場している。 6戦を終えた時点で加藤選手は2位。1位のベルギー出身の選手と6点差、3位のフランス出身の選手とは17点差で最終戦を迎えた。 今回のサーキットは全長約5.842キロ。長いストレートの「ミストラル・ストレート」が特徴。レースには27台がエントリーし、20分プラス1周で競った。 レース1で、加藤選手は2番手で好スタートを切ると、先頭を走るベルギー選手を接戦の末、追い抜きトップに立つと、残り10分で2、3位を引き離してレース1のチェッカーフラッグをトップで受けた。 レース2は9番手からスタート。好ペースをキープして、4人を抜き5位でフィニッシュ。 レース3はポールポジションからスタート。大雨のコンディションの中、1周目のコース半周で2位のベルギー選手のインへの飛び込みで、そろってコースオフするなど4位と下がった。その後、さらに後続車と接触しスピンするなど10位でチェック。前車がペナルティーを受け9位となった。 全レースを終え、計280点を獲得した加藤選手が、計274点のベルギー選手を抜いて、年間チャンピオンになった。 ただ、レース1でコース外走行でアドバンテージを得たとして加藤選手に3秒のペナルティーがいったん課せられ、加藤選手は2位だったが、修正結果でペナルティーが削除され1位に。この結果にベルギー選手が控訴しており、現在は暫定結果となっている。
「初の海外でレースの取り組み方変わった」
加藤選手は「初めて海外で生活してレースの取り組み方、考え方も変わった。今シーズンは結果以前に楽しかった。みんながサポートや応援をしてくれたおかげでここまでこられた」とシーズンを振り返り、次の目標として「まずは健康第一。経験を生かして来年も海外でステップアップする」と意気込んだ。
