史上最高のSF映画は…? 一度は見たい空想科学映画の名作(5)究極の日本アニメ! 社会現象を生んだ伝説の一本
夜空を見上げると、美しい月や星が輝いている。手が届きそうなのに、多くの人がその場所に行くことはないと諦めている。しかし、子どもの頃に想像した世界に連れて行ってくれるのが映画だ。今回は、現実には起こりえないが、もしかすると宇宙の先には想像を超えた世界があるのではないかと思わせるSF映画を紹介する。今回は第5回。
『君の名は。』
監督:新海誠 脚本:新海誠 出演:神木隆之介、上白石萌音 【作品内容】 岐阜県の山間の町・糸守に住む女子高生・三葉。ある日、彼女が目を覚ますと、東京の男子高校生・瀧と身体が入れ替わっていた。閉鎖的な田舎暮らしから解放され、東京での生活を満喫する三葉。一方、三葉と入れ替わった瀧は、糸守での慣れない生活に苦労する。当初、入れ替わりが夢だと思っていた二人。しかし、これが現実の現象だと気づきはじめる―。 【注目ポイント】 本作は、『すずめの戸締まり』で知られるアニメーション監督・新海誠の6作目の監督作品。世界での歴代興行収入で『千と千尋の神隠し』に次ぐ2位にランクインするなど、世界的なヒットを記録した。 本作は、いわゆる「セカイ系」の代表作とされる作品である。「セカイ系」とは、個人的な恋愛関係が、世界の終末などの大きな問題を左右する物語構造のことで、嚆矢は庵野秀明監督の『新世紀 エヴァンゲリオン』とされる。 なお、本作では、三葉と瀧のラブロマンスと、糸守を隕石による災害から救うという2つの物語がリンクしている。2011年に発生した東日本大震災以降、一貫して災害をテーマとした作品を制作している新海。本作は、新海の他者・死者への哀惜の念が昇華した「セカイ系」の到達点であるといえよう。
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