3気筒エンジンのバイクが熱い!? 2気筒でも4気筒でもない3気筒ならではの魅力とは
近年、バイク用のパワートレインとして注目度が高まっているのが3気筒エンジン。トライアンフがMotoGPのMoto2クラス向けに供給しているエンジンが有名ですが、ヤマハも「MT-09」や「XSR900」などに3気筒エンジンを搭載しています。 【バイク画像を詳しく見る】 過去にも、カワサキの「マッハ」や「KH」シリーズ、ホンダの「NS400R」や「MVX250F」などV型3気筒なども存在したので、これらのマシンを思い起こす人もいるかもしれませんが、この時代の3気筒は2ストローク。4ストローク時代の3気筒エンジンが、どんな魅力を持っているのか掘り下げてみます。
■トライアンフが火を付けた!?
3気筒エンジンが注目されるきっかけを作ったのはトライアンフ。2006年に登場した「デイトナ675」で3気筒エンジンを採用しました。2気筒エンジンのように低中回転域のトルクがあり、高回転域では4気筒エンジンのように吹け上がるという“いいとこどり”を実現するレイアウトという触れ込みでした。このマシンの評価が非常に高かったことで、3気筒エンジンが近年の同ブランドを象徴するようなエンジンレイアウトとなりました。2024年には「デイトナ660」という新モデルも登場しています。 その後、このエンジンは排気量が拡大されていき、「デイトナ675」がカタログから消えた後も、そのネイキッドバージョンともいえる「ストリートトリプル」シリーズは人気を集めています。 筆者も歴代の「ストリートトリプル」に試乗していますが、4気筒エンジンに比べるとコンパクトな車体で、低中回転域からのダッシュ力もある特性で、現行モデルで最も所有したいマシンの1台。Moto2クラスに供給されているのは、このエンジンをベースにチューンナップされたものです。 同ブランドの3気筒エンジンは、このほかにも「スピードトリプル1200」シリーズに搭載されるものや、「デイトナ660」や「トライデント660」に採用される扱いやすい特性のものなど、多くのバリエーションが存在します。