「日本アニメの影響を受けた」ベイマックスのD・ホール&C・ウィリアムズ両監督にインタビュー
――都市名や風景など、日本の文化を取り入れているようですが。 ホール監督:ベイマックスの舞台は、(ディズニーが買収した)マーベルコミックスの作品に着想を得ています。日本人のヒーローが主人公の「ビッグヒーローシックス」という作品です。初期段階からマーベルコミックと相談し、ビッグヒーローシックスを原作としながらもこの作品のために全く新しい世界を創っていこう、ということになりました。どんな世界観にするか、は非常に重要なポイントなので その過程では調査にたくさんの時間を費やしました。そして私たちは先ず、サンフランシスコのような特徴的で有名な建物がある実在する都市を採用することにしました。そこに私たちの大好きな日本文化を融合することによって全く新しい世界を作り上げたのです。それが「サンフランソウキョウ」です。 ウィリアムズ監督:こうして日本文化に影響を受けた世界を創ることにしたのですが、考えてみると私たち自身とても小さい頃から日本のアニメに触れ、影響を受けてきたのだということに気がつきました。例えば私はカナダで育ちましたが、そこで初めて「ガッチャマン」をみました。そしてそこでみた造形や画像や映像にたくさんの刺激を受けました。成長するにつれてより多くの日本のアニメやに触れることになり、特に宮崎アニメには大きな影響を受けたと思います。私たちが受けてきた影響を、この作品を通して皆さんにお届けすることができて本当に幸せです。 ――『アナと雪の女王』や『ドラえもん』のように今年はアニメ映画がブームのようですが。 ホール監督:「アナと雪の女王」の日本での成功によって、より多くの門戸が開かれたと感じ、とてもわくわくしています。ディズニーからより多くの作品をお届けできるようになった様に思います。例えば「アナと雪の女王」や「塔の上のラプンツェル」のようなおとぎ話だけでなく、「シュガーラッシュ」や本作のような、他ジャンルの作品まで、あらゆるストーリーをお届けできるので、今後が楽しみです。そんな状況の中で、日本の文化を反映した「ベイマックス」の封切りを日本ですることとなり、これ以上にふさわしい場所はないと感激しています。 ウィリアムズ監督:私たちにとって、今後もさまざまなジャンルの作品を手掛けていくことができるようになったのですが、最も大切なことは、ディズニー作品が皆さんに楽しんでいただける映画を届けることが重要だと考えています。 ――この映画の見どころをお聞かせいただけますか。 ホール監督:今作で私がとても誇りに思っていることは、この作品の持っている感情や心の部分です。この作品の中にはコメディーやアクションシーンも登場するのですが、感情や心の部分において主人公がとても大きな喪失感を経験して、兄が造ったロボットによって癒やされるところが素晴らしいと思います。 ウィリアムズ監督:また、この主人公には、亡くなった兄によって造られたロボットが残されるのですが、 このベイマックスは、人の役に立つ、人を助ける、人を癒やせる、癒やすために造られたロボットです。しかし、主人公のヒロはその意図と違って、ベイマックスを武装したロボットに変えようとしてしまいますが、ベイマックスの本質を変えることはできませんでした。ベイマックスは善良で人々を助けるように創られました。その純真でまっすぐな心は決して失われることはありません。いつも心から人のためを思う気持ちを忘れないのが、ベイマックスの持つスーパーパワーなのです。 『ベイマックス』 監督:ドン・ホール/クリス・ウィリアムズ 製作:ロイ・コンリ 配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン (C)2014 Disney. All Rights Reserved. 2014年12月20日(土)、全国ロードショー