外信コラム 米国で発信力ある知日派が減少の一途…日米交流祝う「ケーキ入刀」の有識者台頭に期待
世界を動かす外交の舞台となってきた米国務省の大きな一室。白髪の男性らが先日、円卓を囲みながら夕食を楽しんでいた。バイデン政権でインド太平洋地域の政策を担ってきたキャンベル国務副長官が日米関係の発展に貢献してきた関係者を招いて開いた夕食会だ。 【写真】10月17日、キャンベル米国務副長官が主催した夕食会で、記念として行われたケーキ入刀 主賓のテーブルには、日本の集団的自衛権の行使などを訴え日米同盟の推進役となった「アーミテージ・ナイ報告書」をまとめたナイ元国防次官補とアーミテージ元国務副長官らが座っていた。 日本からは加藤良三元駐米大使や、安倍晋三元首相が立ち上げた国家安全保障会議(NSC)の初代事務局トップを務めた谷内正太郎元国家安全保障局長の姿があった。 日米間の交流が深化する一方、日本政府関係者は「米国内で発信力のある知日派が減少している」と頭を抱える。大学などで日本研究をしても食べていけないのだとか。日米同盟の重要性が米政府で高まるものの、次世代を担う知日派の有識者が増えていく傾向にはないという。 夕食会では、キャンベル氏や山田重夫駐米大使ら外交の最前線を担う人たちが日米交流を祝ってケーキ入刀を行った。将来、夕食会に招かれケーキ入刀を担うような有識者の台頭を期待したい。(坂本一之)