甘やかしすぎたな…30歳“出戻り息子”の寝顔を見ながらため息。年金月27万円・貯金2,000万円の60代夫婦、日本年金機構から届いた「赤い封筒」に悲鳴【CFPの助言】
年金事務所の担当者が「納付猶予」の申請を急かしたワケ
すると窓口の担当者は、次のようにCさんに声をかけます。 「Cさまは『保険料納付猶予制度』の対象になりますよ」 「保険料納付猶予制度」とは、20歳以上50歳未満で、本人が(配偶者がいる場合は配偶者も)、一定の所得要件を満たせば、義務となっている国民年金保険料の納付を猶予できるというものです。Cさんは無収入ですから、猶予制度の所得要件は満たしています。 担当者「これは保険料の免除制度と異なり、65歳になった際の老齢基礎年金の額に反映されません。つまり、猶予期間にあたる分の年金は『0円』で計算されます。 とはいえ、Cさまはすぐに納付猶予の申請をする必要があります。なぜなら、猶予申請をしないと、未納扱いのままとなるからです。未納期間が多いと、10年以上必要な受給資格期間を満たせないことから、将来老齢年金の受給そのものができなくなります。 つまり、お母さまやお父さまが現在受けられている年金が将来Cさんにはまったくない恐れがあるのです。また、万が一、病気やケガで障害が残った際の障害年金も受けられなくなる可能性もあります。よって、すぐに納付猶予の申請を行ってください。 納付猶予の申請をしておけば、10年以内に猶予を受けた保険料を後から納めること(追納)ができます。追納すれば老齢基礎年金額は納付した扱いで計算されて、将来年金を受け取ることが可能です」 このまま放置すると、Aさんも含めて「財産差押え」に 担当者「また、納付猶予の申請は過去2年分に遡ることも可能です。しかしながら、Cさまには赤い封筒で特別催告状が届いています。年金機構からのお知らせを引き続き無視すると、財産差押えが行われる恐れもあります。しかも、差押えは世帯主であるお父さまにもおよぶことになります」 ここまで聞いたCさんは、「えっ、財産差押え!? 親にも迷惑をかけちゃうじゃん……僕が年金もらえなくなるだけじゃないんですね」と手続きの意味を理解。その後、すぐに納付猶予の申請を行いました。 この申請の結果、どうやら差押さえは免れそうです。Cさんは、「まじで相談しに行ってよかった……親には感謝してもしきれない。このまま親に依存した生活をしているのはまずいな」と、ようやく本腰を入れて職探しを始めたのでした。 先述したように、国民年金保険料は納付義務があります。しかし、Cさんのように、さまざまな事情から収入がなく払えない場合もときにはあることでしょう。その場合も決して放置せず、年金事務所などに相談のうえで、必要な手続きを進めることが大切です。 五十嵐 義典 CFP 株式会社よこはまライフプランニング 代表取締役
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