【解説】日銀・大規模緩和維持 能登半島地震の影響は?マイナス金利解除はいつ?
■市場の反応は?
――市場のうけとめはどうでしたか? 円相場は現状維持ということで1回円安にふれました。しかし、その後は円高に向かって、総裁の会見中1ドル=146円台まで来ました。これは、大規模金融緩和はそのまま継続だけれども、展望リポートを見たり会見を聞くとこれはもしかしたら政策修正が近いのではないかそういうことを感じさせる会見だったんですね。 ――今年にはいって株価も大きく値上がりしていますが、これは、金融政策には影響していますか? 去年、平均株価はかなりあがりましたが、11月以降をみるだけでも、ここのところぐっと上がっている。株価を見るとこれで日本がマイナス金利政策を続けるのはおかしいんじゃないかという声はあがってきます。植田総裁も会見で、企業の状況は良いと評価していて、関係者ともこの株価とマイナス金利は違和感があるという話をしています。
■能登半島地震の影響は?
――今年は、元日に能登で大きな地震があるなど、日本は波乱の幕開けでした。日本の経済や金融政策への能登半島地震の影響はどうでしょうか? これまでの大きな地震の影響を調べてみました。1995年の阪神・淡路大震災と2011年の東日本大震災の時には発災直後に株価が大きく下がって、その後も供給や消費、影響が大きく株価ももう一段さがりました。 2016年の熊本地震は為替も株価もあまりかわりませんでした。被害規模はこちらが能登半島地震に近いでしょうか、今年元日の能登半島地震は、発災当日株の取引がなかったこともあり、株価や経済全体への影響は大きくはないとみられています。 植田総裁も会見で、この地震で経済全体に大きなマイナスが今確認できているわけではないと言いました。ただ、被害の全貌はわからず、サプライチェーンや国民の気持ちへの影響はあります。17年ぶりに日本の金利をあげるという大きな判断はしにくかったと思いますし、それだけの材料もなかったと見えます。
■マイナス金利の解除はいつ?
――そんな中でではマイナス金利解除はいつでしょうか? 1月11日に、OECD(=経済協力開発機構)のコーマン事務総長が、日本について「2024年にマイナス金利からの脱却はできるとみる」と、今年の解除の見方をしめしました。 ではいつか?4月のマイナス金利解除を予測する人が多いですが、日銀内の一部では3月解除への検討もされていると聞いています。