増田元総務相が出馬会見「人口減少を提起したけじめとして都政トップに」
増田寛也元総務相(64)は11日、東京都知事選(14日告示、31日投開票)への出馬を正式に表明した。増田氏は、「4年に3回リーダーが交代する間に、都政には多くの課題が山積している。こうした課題を早く解決することと、五輪後の東京の姿も考えていくことが必要」と意欲を語った。岩手県知事時代に東京一極集中の是正を訴えてきたことについては、「人口減少の問題を提起した私が、一つのけじめとして都政トップに立ち、問題解決する責任がある」と説明した。 【中継録画】増田元総務相が都知事選の出馬を正式表明
子育て・高齢化・災害の3つの不安に対応
会見では、「私の決意」と題した書類を配布。現在の東京都には、子育てに対する不安・超高齢化社会に対する不安・災害に対する不安の「3つの不安」があると指摘した。子育て支援策として、「待機児童解消・緊急プログラム」の策定により8000人の待機児童の早期解消、妊娠から子育てを切れ目なく支援する「子育て世代包括支援」の構築などを掲げたほか、介護福祉面では、首都圏全体で介護体制を構築してICTやロボットの活用など「未来志向型ケア」の推進などを行うとした。防災力の強化としては、木造住宅密集地帯の不燃化、耐震化を迅速に行うとしたほか、帰宅困難者の一時滞在施設を大幅に拡充するなどの施策を実施する姿勢を示した。 また、「合わせて3つの成長プランを実施したい」として、2020年東京五輪・パラリンピックの成功、東京を世界有数の観光都市にする、東京五輪以降の発展の道筋をつける、の3つを掲げた。都内企業の99%を占める中小企業に対しては、海外展開の支援など「さまざまなアイデアを実施したい」と説明するとともに、中小企業で働く人々、特に女性のワークライフバランスの確立が急務とした。 増田元総務相は岩手県知事時代、東京一極集中の是正を求めてきたが、これについて、「一極集中によって、日本の総人口がきわめて急速に減少していくこと、東京に多くの若者が吸い寄せられて地方の活力が削がれてしまうことに危惧を覚えたが、東京でも保育や介護がこの先大変になるとの指摘もしてきた」と説明。「人口減少の問題を提起した私が、一つのけじめとして都政のトップに立ち、少子化の問題を解決する責任があると考えた。この問題をきっかけに、日本そのものの課題解決の先頭に立ちたい」と訴えた。 舛添要一前東京都知事の辞任について、「最後の引き際が残念だった。立つ鳥跡を大分濁した気がする」と評するとともに、「知事としての日程を公開し、海外出張をはじめ行動時のあり方についても都民から十分納得いただけるようなルールをつくる。都政に対する信頼を回復する上で必ず必要になる」と述べた。 このほか、舛添前知事時代に進められてきた韓国人学校のための都有地貸与については、「都庁内で十分議論されていないのではないかと見ている。白紙に戻してどのような利用方法があるか考えるべきだと思う」との考えを示した。 (取材・文:具志堅浩二)