【侵攻2年】アメリカ亡命のロシア人記者が語る 苦悩と決意
ウクライナ避難民ジャンナさん(45) 『30年もこの家で暮らしたの。ここで子供たちを育てたの。苦しい』 ロシア人記者リザさん(26) 『母国がウクライナでやっていることに対し責任を感じます。「ロシア人として、記者として十分なことをしてこなかったのでは」と思ってしまうんです』
侵攻2年目の覚悟
この2週間後、ある記事が公開されました。アメリカに逃れ、侵攻を批判するロシア人のトップアスリートたちが「プーチン政権から圧力を受けている」と報じた記事。書いたのは、リザさん。記者活動の再開です。 ロシア人記者リザさん(26) 『ロシア政府には不快な記事でしょう。でも覚悟しています。沈黙を続けることは戦争への賛同を意味してしまうから』 リザさんはロシア政府に再び「言葉」で抗う道を歩み始めました。
ロシア人記者リザさん(26) 『昔の私なら「言葉は戦争を止められる」と言えたでしょう。しかし、現実を知った今「言葉では戦争を止められない」と感じています。でも、人の考え方なら変えられるはずです。今もロシア国内に、事実に基づく報道を求めている人たちがいることを知っています。私に出来るのは「国外から情報を伝え続けること」ただそれだけです』
【取材後記】 リザさんはリスクを承知の上で、私たちの取材を快諾してくれました。「ウクライナやロシアで起きていることを世界に伝えることが私の義務だ」と力を込めるリザさんの想いを受け止め、侵攻3年目を迎えてしまった今、私たち日本のメディアに出来ることを、改めて考えなくてはならないと思います。(萩原誠悟・青山ななみ)