竹田麗央 日本勢初完全Vでメジャー初制覇 破竹の勢い!ツアー初優勝から5カ月で6勝
「女子ゴルフ・ソニー日本女子プロ選手権・最終日」(8日、かねひで喜瀬CC=パー72) 竹田麗央(21)=ヤマエグループHD=が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算19アンダーでメジャー初優勝を果たした。ゴルフ5レディースから2週連続優勝で、ツアー初優勝したシーズンでは1989年の小林浩美に並んで最多の6勝目を挙げた。初日から首位を守る完全優勝は、大会が82年に4日間競技になってからは日本勢初で、81年以前を含めると4人目。1打差まで猛追した山下美夢有を退け、記録ずくめの優勝を果たした。 怒濤(どとう)の勢いで走り抜けたメジャー初制覇。初優勝からわずか5カ月で、6勝目と女子プロ日本一の称号を手に入れた。試合中に何度もコースをぬらした雨雲も、表彰式では邪魔をしないと言わんばかりに、ぎらついた太陽が竹田の笑顔をまぶしく映した。 「今年は(ツアー)初優勝して、そこからのメジャー初優勝だったのでうれしい。実感はないけど、これからもたくさん優勝できるように頑張ります」 ライバルは一つ前の組にいた。前半から3バーディーを奪う快調な滑り出しだったが、昨季まで2年連続年間女王の山下も同スコアで食らい付く。折り返しの10番をボギーで逆転圏内の3打差に詰め寄られると、女子プロ日本一の称号を懸けたバックナインは事実上の一騎打ちとなった。 最強の女王が追いかけてくる。そのような状況に陥ることも「美夢有さんが伸ばすのは想定していた」と分かりきっていた。だから「自分は(大会記録更新の)20アンダーを目標に、それだけを考えた」という。14番パー3では、ティーグラウンドでの待機時間にバーディーパットを沈める山下を目視したが、同ホールをバーディーで入れ返す精神力の強さを見せつけた。 付随する記録は枚挙にいとまがない。4月に初優勝を挙げ、これで小林浩美に並ぶ初優勝シーズン最多の年間6勝だ。この大会の4日間競技における完全優勝は日本勢初で、81年以前の3日間時代では樋口久子、岡本綾子らしか達成していない大記録。他にも大会レコードタイのストローク数や、ダイヤモンド世代3年連続Vも成し遂げた。 ツアーを無双する竹田の最大の武器が、飛んで曲がらないパワーフェード。元々はドローヒッターだったが、中学生の終わりごろに自然と今の球筋が定着。母でコーチの哲子さんは「今は困っていたらアドバイスするくらい」と謙遜するが、ともにゴルファーの理想型とも言えるスイングを作り上げた。 もはや米女子ツアー挑戦への切符となっている3年シードを獲得し「挑戦しやすくなった。来年とかは考えていないけど、いつかは」と目が輝く。規格外の21歳が世界で戦う下地は着実に整いつつある。 ◆竹田麗央(たけだ・りお)2003年4月2日、熊本県合志市出身。プロの母・哲子さんの影響で、6歳のときにゴルフを始めた。21年11月にプロテスト合格。今季4月に地元・熊本で行われたKKT杯バンテリン・レディースでツアー初優勝を飾った。叔母は1993、94年の賞金女王・平瀬真由美。趣味は野球観戦でオリックス・山下舜平大のファン。得意クラブは1W。166センチ、66キロ。 ▼4日間競技の日本女子プロ選手権では日本勢初の完全優勝 外国勢を含めば、2018年の申ジエ以来6大会ぶり。4日間競技移行前の81年以前では樋口久子、山崎小夜子、岡本綾子が達成している。 ▼大会レコードタイの19アンダー 竹田麗央が記録。21年(静ヒルズCC)の稲見萌寧に並んだ。 ▼ダイヤモンド世代3年連続V 03年度生まれの川崎春花が22年、神谷そらが23年、竹田麗央が24年大会で優勝。