香港返還から27年 民主化運動の舞台が日本へ?【WBS】
日本人が巻き込まれる可能性も
香港での言論弾圧は日本にとっても他人事ではありません。実は日本国内での行動も香港で罪に問われる可能性があるんです。20代の香港人女性が日本に留学中、「香港独立」「共産党を滅ぼせ」などとSNSに投稿した後、香港に戻ったところ、当局に逮捕されました。 日本での投稿が「扇動の意図を有する行為の罪」に問われた可能性があり、香港の裁判所から禁錮2カ月の実刑判決を言い渡されました。 日本人に影響が出たケースもあります。香港の民主化デモを取材してきた日本人ジャーナリストが去年、香港で入境を拒まれました。また天安門事件から35年目にあたる今年6月4日には、香港の公園で犠牲者を追悼していた日本人男性が身柄を一時拘束される事態も起きました。 さらにこんな事例もあります。中国共産党に批判的だった香港紙「リンゴ日報」の創業者、ジミー・ライ氏を巡って、香港政府は元衆議院議員の菅野志桜里氏との共謀があったと主張しました。菅野氏は以前、中国政府による迫害行為を抑止する法整備を日本政府に働きかけたことがありますが「ジミー氏とは一切面識がない」としています。 菅野氏は「重大な人権侵害であり、他国の国会議員の活動にまで香港・中国政府が手を伸ばしている現実が明らかになった」と述べています。 こうした締め付けは、経済活動にも影響を及ぼすのではと懸念されており、現地の日本企業も香港を取り巻く状況などを注意深く見ていく必要がありそうです。 ※ワールドビジネスサテライト