金沢港に太陽光発電 県9月補正予算案に調査費 防災・脱炭素に貢献
●路線バスEV化、にぎわい創出も 能登半島地震を受け、石川県は災害時に金沢港が拠点機能を維持できるよう、港湾施設の電力をまかなえる太陽光発電施設の整備を検討する。発電施設が生み出す電気は平時から使用して脱炭素に貢献するほか、将来的には路線バスの電気自動車(EV)化や、港周辺エリアを回遊する電動モビリティー導入も目指す。適切な立地場所を探る調査費を県9月補正予算案に盛り込む。 太陽光発電施設がつくる電力は、金沢港クルーズターミナルや水産・物流関係の施設で使用を想定する。電力会社からの供給だけでなく、独自の電力施設を確保することで、能登半島地震のような大きな災害が起きた場合、住民の避難所や支援物資の発送拠点としての機能を即時に発揮できるようになる。 施設の整備はカーボンニュートラル推進にもつながる。金沢港は国内外のクルーズ船の寄港地として人気があることから、環境意識が高い欧米客に対するPRとなり、にぎわいの創出にも貢献する。 今年度の事業費では、港湾関係の電力量を精査し、必要分を供給できる施設の規模や立地可能な場所がどこかを調べる。路線バスのEV化実証実験や、電動モビリティーの導入が可能かどうかも調査する。 金沢港を巡っては、能登半島地震で戸水、御供田の両埠頭(ふとう)が損傷した。県は今年3月に策定した金沢港将来ビジョンで、地震を教訓に防災力向上を掲げたほか、再生エネルギー活用によるカーボンニュートラル化や周辺エリアと連携したにぎわい創出を目指すとしている。