Z世代の深刻な「バイデン大統領」離れ アメリカZ世代はバイデンに幻滅?でもトランプには投票したくない?
Cartoonがパーソナリティを務めるinterfmで放送中のラジオ番組「sensor」(毎週金曜19:00-22:00放送)。番組コーナー「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。 今回のテーマは、「アメリカの2024年は大統領選の年。バイデン氏の若者支持は下がり、トランプ氏が上がっているのはなぜ?」。「NY Future Lab」のメンバーが、現職のバイデン大統領とトランプ前大統領の一騎打ちが予想されるアメリカ大統領選について、思いを語り合いました。
◆若者の失望が“バイデン離れ”を起こしたのか?
アメリカにとって、2024年は大統領選を控えた特別な年です。11月の本戦では民主党の現職バイデン大統領と共和党のトランプ前大統領の対決が予想されていますが、最終的な候補者は各州での予備選で決まります。先陣を切る、アイオワ州の共和党党員集会は1月15日に迫っています。 前回、2020年の大統領選挙でバイデンがトランプに勝てたのは、Z世代を中心とした若者票が大きく伸びたことが要因の1つでした。ところが現在、若者の支持率のゆくえはトランプに移っているというデータが次々と発表されています。 NBCニュースの全米世論調査によると、18歳から34歳の若い有権者のあいだで、トランプ前大統領の支持率が46パーセントに対し、バイデン大統領は42パーセントという結果に。僅差とはいえ、なぜ若者の支持はバイデンからトランプに移行したのか? ラボメンバーたちが理由を推測しました。 メアリー:これって、本当に正確な情報なのかな? 多くの若者は民主党支持で、共和党がやっていることに反対するために選挙に参加しているよね。特に、中絶の権利を取り戻すために行動している。この結果を見ると、誰がこの世論調査に参加しているのかよくわからない感じ。 だけど、個人的にはバイデンの人気が下がっているのはわかる気がする。彼が高齢なことも大きいよね。トランプ対バイデンって考えたときに、「トランプのほうが面白いから」という理由で支持されているのかもしれない。あとは、パレスチナ危機も大きいよね。 ヒカル:パレスチナ危機は大きいと思う。バイデン政権がイスラエルを強く支援しているから、それで若者がバイデン対する嫌悪感を募らせているんだ。 ミクア:バイデンに関しては、最初はみんなすごく希望を抱いていたんだよね。大統領に就任したての頃は、ある程度の期待があったけど、実際には多くの人々を失望させてしまった。多くの公約をしたけれど、たとえば学生ローン返済の救済措置は本当に実現されたのかな? メアリー:ある程度はね。実行はしたけれど、後に撤回せざるを得なくなった。それじゃあ意味がないでしょう? ミクア:トランプについては最初から失望していたけれど、バイデンに関しては期待があったからね。 ヒカル:「バイデンかトランプか」という二者択一しかないために、二大政党制は既に崩壊している。うまく機能していないと言う人もいるよね。第三の候補者を探す必要があるとも言われているよ。 バイデンが期待に応えてくれず、失望を抱えた人たちが増えたことがうかがいしれます。バイデンが掲げた学生ローンの救済は大きな公約でしたが、保守化した最高裁の差し止めを受け、一部を除き実現が頓挫している状況です。現状を生み出したのはバイデンではありませんが、期待した若者の失望は大きかったと言えます。 また、気候変動対策についても、スピード感を求める若者には“手ぬるい”と感じさせています。さらには、イスラエルとパレスチナの紛争において、バイデンがイスラエルを一方的に支持したことにより、若者が「多くのパレスチナ市民の犠牲を許した」と受け取る結果となりました。 メンバーの発言にもあるように、民主党と共和党に期待が持てず、第三党候補者に希望を見出す人たちも出てきているのが今回の大統領選です。